2020.01/01(Wed)

このサイトについて


『夢見月~Primavera~』へようこそ♪

このブログは花より男子の二次小説置き場でございます。
花沢類を心から愛する私の妄想が炸裂していますので、その辺の趣旨をご理解いただいたうえで閲覧いただければと思います。
当然ながら、原作者である神尾葉子先生や出版社様とは一切関係はありません。
内容によっては、原作設定を逸脱(ガン無視)しているものもありますが、そんなパラレルワールドも楽しんでいただけたら嬉しいです♡

尚、こんな駄文ですが、一応著作権(ていうほどのものではありませんが)は放棄していませんので、無断転載や複製、配布はご遠慮ください。

基本CPは【類×つくし】です。

この下の方に目次みたいなモノがあります。
過去記事をご覧になりたい方はご利用くださいませ♪


【更新のお知らせ】
  *2018.02.07 『My Destiny ~やっと完結!~』を更新♪
  *2018.02.05 『My Destiny ~完結の半歩手前~』を更新♪
  *2018.02.01 『Tranquilizer 48【完】』を更新♪


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


目次みたいなモノです☆

『花より男子』

 【いただきもの】
   *凪子様より:僕の心をつくってよ
   *空色様より:Maji で Koi してイイですか?


 【捧げもの】
   *まーこ様へ:I need You ~Again~
   *まーこ様へ:Please


 【リレー】
   *vacances d'été【2017 Summer】
   *異CPリレー【私的裏話】


 【長編】
   *Be with you…(Prologueへ飛びます)
     Cap.01 / Cap.10 / Cap.20 / Cap.30 /
     Cap.40 / Cap.50 / Cap.60 / Cap.70 /
     Cap.80 / Cap.90 / Cap.100 / Cap.110 /
     Cap.120 / Cap.130 / Cap.140 / Cap.150/
     Cap.160 / Cap.170(完結)

   *THAT NIGHT
     Cap.01 / Cap.10 / Cap.20 / Cap.30 /
     Cap.37(完結)

   *Tranquilizer
     1 / 5 / 10 / 15 / 20 / 25 / 30 / 35 /
     40 / 45 / 48(完結)


 【短編】
   *弥生三月花の頃
   *離れていても
   *MajiなKoiしよう
   *My Destiny

 【イベント】
  ☆BD SS☆
   *【2016.類誕】:天使のキス
   *【2016.総誕】:Beloved
   *【2016.つく誕】:THIS NIGHT
   *【2017.司誕】:大事なモノ
   *【2017.あき誕】:聖域
   *【2017.類誕】:Only for you

  ☆アクセス記念SS☆
   *【1万HIT】:Get back in Love
   *【2万HIT】:女神の祝福
   *【3万HIT】:Possessive
   *【4万HIT】:Everlasting Love
   *【5万HIT】:Moonlight Rhapsody
   *【10万HIT】:悪戯な春風


『ボルテージ』
 【眠らぬ街のシンデレラ】
   *【悠月】:愛し


『二次小説じゃないモノ』
   *お礼
   *雑談



☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


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テーマ : 目次 - ジャンル : 小説・文学

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2018.02/07(Wed)

My Destiny ~やっと完結!~


『My Destiny』はこれにて完結です!
たった6話書くのに1ヶ月かかった…(*´-д-)フゥ-3
まぁ、とにかく無事終わってなによりです。

Rじゃないけど、微妙な表現があります。
苦手な方はサラッとスルーしちゃってくださいね!


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


類とつくしが出会って、二度目のスーパームーンを迎える。
もう、その身に変化が起こらないことはわかっているのに、その瞬間は未だ不安が付き纏う。
今回は特に、つくしと二人きりだから。
もし何かあったら、つくしを傷付けることになる。
類は何よりそのことを危惧していた。

しかし、当のつくしは平然と笑う。
写真でしか見たことのない、その姿。
神々しいほどに美しく、口元から覗く鋭い牙に獰猛さは感じるが、不思議と恐怖はない。
それはおそらく、類だと判っているから、だろう。
『どんな姿の類でも、あたしは好きだよ』
何度も言い聞かせるように、つくしは囁いた。


双方の実家へ年始の挨拶を済ませ、自宅へと帰り着き一息吐く。
例年であれば新年を祝う席に招かれたり、親戚や取引先の年始参りに駆り出されたりしてる類も、今年ばかりはその役目を免れた。
「こんなにゆっくり正月を過ごすなんて、初めてかも。」
「ふふ…今回だけはお月様に感謝だね。」
「父さんたちはつくしのこと、あちこちに紹介したかったみたいだけどね。」
「そんなの、急ぐことないよ。」
コツンと類の肩口に頭を乗せ、見るともなしに窓の外を見上げる。
月の最接近にはまだ時間がある。
なのに、類の表情がいつもより硬い。
「ねぇ、つくし…。」
「ん?なぁに?」
「何度も言うようだけど、ヤバそうならすぐに逃げて。」
その身に何か異変を感じているのか、その声が僅かに震えている。
「どうしたの?もう大丈夫だっ、て…」
覗き込んだ類の瞳に、つくしはハッとする。
いつもの綺麗な薄茶色が翳りを見せ、鈍い光を浮かべている。
「る、い?…類っ?」
「ごめ…つ、くし…きょ、は実家に…。」
苦し気に歪んだ口元を押さえ、やっとの思いで声を絞り出す。
きつく閉じた瞼。
眉間に寄せた皺。
苦痛に耐えるように奥歯を噛みしめ、その身が震えだす。
「類…もしかして…?」
「わ、かんない…けど、今はとにかく、離れて…っ!」


どうして?
どうして…どうして…?

終わったはずなのに。
もうあの苦しみから解放されたはずなのに。
まだ、類を苦しめるの?


その時、ふと孝に言われた言葉を思い出す。
『君たちが結ばれたことで、類に起こる現象は落ち着くかもしれない。
 けれど、おそらくそれだけでは不完全だ。
 この血を継ぐ者の存在…それが絶対的なトリガーだと言われている。』

この血を継ぐ者…すなわち、子供を儲けること。
そうしなければ、類をこの苦しみから完全に救うことはできない。
これまで何度も体を繋げてきた。
しかし、避妊をしなかったのは最初の1回だけだった。
そのトリガーを知っても尚、類は避妊し続けた。
自分のエゴの為に子供を作るのは嫌だ、と言って。

去年はシャイムーンイヤーだったから、わからなかった。
まだ、終わっていなかったことを。

そして、今。
目の前で類が苦しんでいる。
苦痛に身を震わせ、それでもつくしを守ろうと必死に言葉を吐き出す。

逃げて。
離れて。
早く…早く…。

そんな類に、何がしてやれるだろうか。


心の動揺を落ち着かせるように、瞑目し大きく息を吐く。

―大丈夫…大丈夫。
 類のことは、あたしが守る。
 ううん、あたしにしか、守れないんだから…。

ゆっくりと目を開き、目の前の愛しい人を抱きしめる。
今のつくしを占めるのは不安や恐怖ではなく、純粋な愛情。
そして、ただただ類を守りたい気持ち。
触れた身体に変化はまだ感じられない。
姿を変えられないことで、その苦痛が普段の何倍にも増幅しているのかもしれない。
「つく、し…頼む、から…離れて…」
辛そうに吐き出した声を宥めるように、その唇を柔かに塞ぐ。
「離れないよ、ずっとここにいる。」
「っ…んで!」
類が言葉を発するごとに、つくしの柔かな唇が類に触れた。
「類のこと、愛してるから。
 もし類の理性が壊されて、あたしを傷付けたとしても。
 もしこの場で、類に食い殺されたとしても。
 あたしはここに留まったことを後悔したり、類を恨んだりはしない。
 だって、類はあたしの運命の人なんだよ?
 だから、あたしはずっとここにいる。」
抱きしめながら、触れられるところすべてに口付ける。
心からの笑みを浮かべ、愛の言葉を囁きながら。


今にも焼き切れそうな理性を必死に繋ぐ。
つくしを傷付けることだけはしたくない。
離れて、と何度も何度も頼んだ。
なのに、つくしは首を縦に振るどころか、更に身を寄せてくる。

好き。
大好き。
愛してる。
ずっと類と一緒にいるよ。

つくしの紡ぐ愛の言葉が身体を満たし、心の奥底まで染み込んでくる。
身体は確かに辛くて、苦しくて、どうしようもないのに。
つくしの声が、感触が、温もりが、その苦痛を和らげてくれるようにも感じる。

―ああ…俺にとっても、つくしは運命の人なんだな。

震える手でつくしを抱き寄せる、と。
「ふふ…もっとギュッてして?」
もっと、と強請られ、その腕に力を込める。
「苦し、よね…ごめん。
 けど、うまく加減できな…。」
「いいよ、大丈夫。思いっきり抱きしめて。
 類の辛さや苦しさを、あたしにも分けて?」
傷付けたくないのに、離してやることもできない。
力の限りに抱きしめたら、この華奢な身体が折れてしまうかもしれない。
「大丈夫だよ、こう見えて、あたしけっこう頑丈だから。」
クスクスと笑うつくしの吐息が胸元を擽る。
堪らず首筋に唇を寄せると、つくしが『ん…』と甘さを含んだ声を漏らした。

苦しみの中に感じた、僅かな愉悦。

それが堪らなく嬉しくて、何度も首筋にキスを落とす。
「る、い…っ…ちょっ、くすぐったい…」
クスクスと笑いながら身を捩るが、その腕をすり抜けることはできない。
時折感じるチリッとした痛みに、類の余裕のなさを感じる。
そして、つくし自身にも甘い疼きが生まれていく。
いっそこのまま…と、つくしが目を閉じた瞬間。
「ごめ…っ」
グイっと肩を圧され、類が顔を背けた。
「…類?」
その手から伝わる震えに、類の中に燻る苦痛を感じる。
「ダメ、だ…これ以上は…」
苦痛を吐き出すように触れたら、つくしを傷付けることになる。
本能のままに抱いてしまったら、それこそ…。

「いいよ、それでも。」

つくしの温かな手が類の頬を撫でる。
「あたしたち、婚約したんだよね?
 絶対に、結婚するって…ずっと一緒にいるって約束したよね?
 だったら、あたしはいいよ。」
「つくし…」
「類は優しすぎ。
 あたしのこと、大事にしてくれるのは嬉しいけどさ。
 同じくらい、あたしも類のことが大事だよ?
 類が辛い時は、あたしだって辛い。
 けど、それは倍じゃなくて、半分にできる。
 それが夫婦になる、ってことなんじゃない?」
クスッと笑うつくしに反して、類の表情は晴れない。
つくしの言うことが正しいのは解る。
「でも…」
今日はダメだ、と続く言葉はつくしの唇によって阻まれる。


繰り返されるキスに、呼吸が乱れる。
さっきみたいに、この手に力を込めて圧し返せばいいとわかっているのに。
つくしの必死にも思える拙いキスが、燻っていた劣情を煽ってくる。
柔かい唇、滑らかな舌先、そしてつくしの漏らす甘い吐息。
そのすべてが愛おしく、もっと欲しくなる。
「つくし…もっと…」
零れた呟きに、情欲で揺れる瞳が細められ、僅かに口角が上がる。
気を良くした唇は頬から顎のラインを辿り、首筋へと降りていく。
時折感じるチリッとした痛みは、つくしの甘やかな仕返しか。
燻りを煽られ、生まれた熱に理性の糸が焼き切られる。

「もう…どうなっても、知らないよ?」

堪らず抱き寄せ、その耳元で低く囁くと。

「…望むところよ。」

妖艶に微笑むつくしが、僅かに残っていた理性の糸を断ち切った。


劣情に支配された類に、身体の隅々まで暴かれる。
噛み付くようなキスも、暴力的な愛撫も、身を裂くような荒々しい抽送も。
普段の穏やかな類からは想像できないほど動物的で。
その姿は、美しく愛しい『獣』。
苦痛に一人耐えるのではなく、吐き出し、それを分かち合えた歓びに胸が震える。

―やっと、楽になれる、ね…。

朦朧とする意識の中、思い切り類を抱きしめ、そっと呟く。
その瞬間の、類の笑顔がとても綺麗で。
安堵の笑みを浮かべたのを最後に、その意識を手放した。


眠りに落ちたつくしをそっと抱き寄せ、その髪を梳く。
絡まってしまった髪を丁寧に解きながら、無理をさせてしまったことに心が痛む。
今までと同じく、理性は利かないながらも意識はちゃんと保てていた。
つくしの吐く息の熱さも、あげる嬌声の甘さも、感じていた。
いつも以上に執拗に攻め立てたし、避妊もしなかった。
何度目かの吐精の後、フッと身体が楽になったのを思い出す。
それが何を意味するのか、正気に戻った今ならわかる。

―参った、な…。

嬉しいはずなのに、それを素直に喜べない。
近い将来、新しい家族を迎えるつもりではいた。
が、それはもう少し先でいいと思っていた。
つくしも仕事を続けたいと言っていたし、その時期は二人で決めたかった。
こんな苦痛を吐き出すように抱くのではなく、愛おしむ行為の結果ならば、もっと素直に喜べたはずだ。
だったら…。

眠るつくしにキスを落とし、その身を起こす。
そして、身を屈め、つくしの下腹部へと唇を寄せた。
「ごめんな」
小さく謝罪の言葉を残し、サイドテーブルの引き出しを開け、避妊具の箱の奥に手を伸ばす。
望まない妊娠を回避するための物―使うつもりはなかったが、念のために準備していた『それ』。
寝ているうちに飲ませてしまえば、気付くこともないはず。
そう思って忍ばせていた箱を探す、が。
「…あれ?」
あるべき所にそれがない。
不自然に空いたスペースで、確かにそこにあったとわかるのに。

クスッ。

背後の気配に、それがつくしの仕業だと気付く。
「…何で?」
「ん?だって、必要ないから。」
「でも…」
「類からもらった宝物を、無かったことになんかさせない。」
思いの外、強い口調で返され、類は言葉を失う。
「この子はさ、類とあたしの間に生まれる運命なんだよ。
 だったら、せめてあたし達の子供でよかったって思ってもらえるように、大事に育てよ?」
フワリと抱きしめられ、途端につくしの香りに包まれる。
「…つくしは強いね。」
フッと漏れた息に笑みが混じる。
「そうかな?」
お道化たように笑うその口元に唇を寄せる。
「きっと、いい母親になるね。」
チュウと軽く吸い付き、そのまま額を合わせる。
「類も、素敵なパパになれるよ。」
「そうかな?」
「だって、あたし達、お互いに『運命の人』でしょ?」
弧を描く唇を重ね合わせ、ゆっくりとその身を横たえる。
肌触りのいいシーツに身を沈め、もう一度素肌を重ねる。
「My Destiny、か…」
「ん…な、に…?」
「『運命の人』って意味…俺とつくしのこと、だよ。」
「そっか…って、類?」
類の大きな手が、つくしの身体のラインをなぞる。
「ん?何?」
焦るつくしを余所に、柔らかな肌に唇を這わせた。
「さっきもしたじゃ…んっ…」
「だって、つくしが可愛いんだもん。
 さっきはちょっと乱暴すぎたから、ここからは優しくするから…ね?」
甘い言葉が鼓膜を揺らし、心を蕩けさせる。
「ん、もう…!」
「『姫初め』だからね。
 つくしをう~んと可愛がってあげるよ…。」
慈しむように落とされたキスが、つくしの身も心もトロトロに解かしていった。


窓の外には、正円の月が妖しく輝く。

運命の女神・モイライの描いた運命。
それが幸か不幸かなど、誰も知らない。
けれど。
今、この瞬間の幸せを甘受しよう。

つくしと共に。
類と共に。



~Fin.~


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


いやぁ、思いの外、長くなりましたねぇ。
書き始めた時は『サクッと3話で!』と思ってたのに。
終わってみたら、倍の6話になりましたか(笑)
まぁでも、終わってよかった(*^-^*)

これで書きかけの話は全部終わった!
これでいつ辞めてもいいよね?(笑)
来てくれる人がいる限り、閉鎖はしないけど、今後の更新は未定。
気が向いて、何か思いついたら書こうかなぁ。

ここまで来れたのも、皆さんの温かい応援があったからだと思います。
感謝!感謝!!感謝!!!です!
本当にありがとうございました(´▽`*)♪



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2018.02/05(Mon)

My Destniy ~完結の半歩手前~


またまたふざけたサブタイトルですんません(^▽^;)
次で完結させる予定ですが、気分次第で変わるかも?
ま、Rを書くかどうするか、ってだけなんですがね(笑)

とりあえず、続きです。


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆



無事結納を済ませた後、ささやかながらつくしの誕生日を祝った。
「本当なら、もっと盛大にお祝いする予定だったのよ…。」
残念そうに呟く優美に、つくしは恐縮しながらブンブンと手と首を振る。
「そんな!お気持ちだけで十分ですから!」
「つくしさんは欲のない人だね。
 けど、類にはそれもまた魅力なんだろう?」
僅かに上がった口角が、孝の上機嫌を物語る。
「まぁ、そうだね。
 俺としては二人っきりがよかったんだけど、今年は特別だよ?」
「それはすまなかったね。」
クスッと笑った孝は内ポケットから何かを取出し、つくしの前へと差し出した。
「つくしさん、誕生日おめでとう。
 これは私たちからのプレゼントだ。
 もらってくれるかい?」
「え…?」
その手元にあるのは、カードキーのような物。
ホテルの名前や部屋番号は印字されていない、シンプルな銀色のカードだった。
「…これは?」
どこかのホテルのスイートの鍵だろうか。
そうつくしが尋ねようとすると。
「ふーん…いいじゃん。すぐ住めんの?」
「ああ。必要な物は全部揃ってる。
 二人で住むなら3LDKもあれば十分だろう?」
「セキュリティは?」
「入口にコンシェルジュが24時間常駐している。
 生体認証でのロック解除だから心配はない。」
孝の言葉に、牧野の両親もうんうんと頷く。
「そ。なら、問題ないね。」
満足そうに類が微笑む、と。
「ね、ねぇ…類?」
一人、状況を飲み込めないつくしが不安げに類の袖を引いた。
「ん?どうした?」
「全然話が見えないんだけど…?」
「うちと、牧野のご両親からのプレゼントだって。
 はい、これ…俺たちの新居の鍵だからね、ちゃんと持ってて。」
「新、居…?」
ますます意味がわからない、と首を傾げるつくしに、千恵子はクスクスと笑った。
「私たちも見せてもらったけど、とっても素敵なお部屋よ。
 そこで、あなたが類さんのお世話をするの。」
「私たちとしては一緒に暮らしたいんだけど。
 あの邸だとつくしさんが窮屈に感じてしまうんじゃないかと思ってね。」
「そんなこと…っ!
 今までもお世話になってたし、あたしはこのままで…。」
そんな高価な物はもらえない、と必死に言い募る。
「つくしさん、このマンションは君の物だ。
 住む、住まないは自由にしていい。
 もしも類とケンカした時や一人になりたい時に使ってもいいしね?」
つくしを気遣う気持ちに、言葉を失う。
これ以上何かを言えば、その気持ちを無下にすることになる。
困惑気味に類を見上げれば、柔らかな微笑みが降ってきた。
「ケンカなんてするつもりはないし、つくしが一人になりたいって思うような状況もあり得ない。けど…。」
フッと顔をつくしの耳元に寄せ、類がコソッと何かを囁く。
その瞬間、つくしの顔が真っ赤に染まった。
「…でしょ?」
「ちょっ!何言って…っ!」
「あらあら?なぁに?内緒話なんかして。」
クスクスと笑う優美に、つくしが何も返せずにいると。
「秘密。それより、これ、ちゃんと持っててよ。」
類がつくしの手にカードキーを手渡すと、それを大事そうに胸元で握りしめる。
「ありがとう、ございます。」
つくしの言葉に、両親たちは安堵の息を漏らした。

「それと、これもね。」
類は徐に立ち上がると、つくしの背後に回る。
そして、その首元に手を伸ばした。
「…え?」
ひんやりとした金属の感触。
胸元に視線を落とすと、そこには澄んだ青色の石が見える。
「これはつくしのママさんから。」
「…アクアマリン?」
「似てるけど、違うの。
 それはブルージルコンっていう石よ。
 あんたの誕生石で、厄除けと安産のお守りになるんですって。」
「そうなんだ…って、安産!?」
「そうよ。あんたは花沢家の跡取りを生むんだからね?
 正直、まだ不安もあるけど、でも類さんとなら大丈夫でしょ?」
千恵子が不安に思うのはしかたないことと解っている。
けれど、それでも尚、類と生きると決めた。
千恵子の不安を払拭するには、類と幸せになった自分を見せること。
それしかない。
背後に立つ類を見上げ、肩に触れる類の手に自分の手を重ねる。
「うん。あたしは類と一緒じゃなきゃ嫌。」
フワリと微笑むつくしに、類は苦笑いを浮かべた。
「…そんな可愛いこと言わないでよ…我慢できなくなるじゃん。」
重なった二人の左手には、お揃いのリングが光る。
類はそこに唇を寄せながら、つくしにだけ聞こえるように囁きを落とす。
「早く、二人っきりになりたい。」
と、つくしは再び頬を赤らめながら、小さく頷いた。
「ママ、これ、ありがとう。
 あたしは大丈夫だから。
 どんなことがあっても、絶対幸せになるよ。ね?類。」
「当たり前。
 パパさん、ママさん、つくしのことは必ず幸せにします。
 進のことも、つくしと一緒にフォローしますから。」
「類さん、進のことまで気に掛けてくれてありがとう。
 進も、きっと心強く思ってると思います。
 花沢さん、これから末永くよろしくお願いします。」

和やかに微笑み合う彼らの声を聞きながら、進は穏やかに微笑む。
が、それが表情に現れることはない。
いつか、あの輪の中で一緒に笑い合いたい。
そう、願わずにはいられなかった。




翌朝。
つくしは見慣れない光景の中で目を覚ました。
だだっ広いキングサイズのベッドに、肌触りの良い寝具。
壁一面がカーテンで覆われていることから、きっとその向こうはガラス張りの窓になっているのだろう。
天井は高いし、照明はシンプルだが安物ではない煌きを放っている。
「…ここ、どこ?」
つくしがやっとの思いで呟くと。
「ん…おはよ。」
聞き慣れた声と同時に、筋肉質の腕に閉じ込められる。
「へ?…類?」
「…ん。今日から休みなんだし、もうちょっと…。」
耳元にスース―と安らかな寝息が聞こえる。
その心地よいリズムに、つくしも危うく眠りへと堕ちそうになるが。
「って、何なの?この状況は。」
寝入ってしまった腕が緩んだ隙に、ベッドを抜け出した。

寝室だけでも十分な広さがあるのに、その先のリビングは更に広かった。
やはり壁は一面ガラス張りの窓になっていて、そこから下を見下ろしても歩く人の姿は米粒程度にしか見えない。
ウロウロと部屋の中を歩き回り、センスのいい家具や調度品に何度も溜息を漏らした。
「何なの?ここはどっかのホテル?」
と呟いた瞬間、テーブルに見覚えのあるカードキーを見つけた。
「あ、これ…昨日の…。」
誕生日プレゼントだといってもらった、マンションのキー。

―ということは、ここがその部屋?
 にしても、広すぎない?
 確かに、すぐ住めるようにはなってるって言ってたけど。
 でも、何ていうか…家っていうよりホテルみたい…。

ブツブツと呟きながら、部屋を見て回っていると。
「気に入った?」
愛しい声と同時に、フワリとその温もりに包まれる。
「…類。」
「ん。おはよ。」
軽いリップ音が目元、耳、頬、そして唇に触れる。
「ここって…?」
「昨日言ってたマンション。
 昨日の帰り、つくし、途中で寝ちゃったでしょ。
 だから、俺が運んだんだよ。」
「う、っそ…ごめん!重かったでしょ?」
「ん?全然平気。
 それに、いくら重かったとしても、他のヤツに運ばせるとかないし。
 夫の務め?でしょ。」
クスッと笑って、頭をポンポンと軽く叩く。
「けど…ごめん。」
「いいよ。それより、コーヒー淹れて。
 この後、邸に置いてきた荷物が届くはずだから。」
「え?もうこのままここに住むの?」
「そのつもりだけど?ダメだった?」
「い、や…ダメっていうわけじゃ…ただ、いきなりすぎて…。」
戸惑うつくしに、類はフワリと微笑む。
「ここには基本的には使用人は置いてないんだ。
 この家のことは二人でやっていこうと思ってさ。
 といっても、俺は何もできないから、つくしにいろいろ教えてもらうことになるけど。
 つくしはそういう方がいいかなって勝手に思って決めちゃった。
 もし、人手が必要なら邸から呼んでもいいしね。」
その言葉で、類が両親からの贈り物を知っていたのだと解る。
そして、二人だけで暮らすことをきちんと考えてくれていた。
何より、つくしが望む形を理解してくれていた。
類にとっては『してもらう』のが当たり前だったはずなのに。
「あたし、がんばるね。
 類に不自由な思い、させないように…。」
「それは違うよ。
 夫婦になるんだから、助け合っていくのは当然でしょ?
 もし、つくしにばっかり負担がかかるようなら、即、邸に戻るって約束なんだ。
 だからそうならないように、俺もがんばるよ。」
「類はそれでいいの?仕事だってあるのに…。」
「仕事と家庭のことは別でしょ?
 確かに忙しくて手伝えないこともあるだろうけどさ。
 つくしに任せっきりにするつもりはないよ。あ、でも…。」
一旦言葉を切り、クスッと笑うと。
「つくしが専業主婦になるんなら、話は変わるけどね。」
「うっ…それは…。」
「仕事辞めるつもりないのはわかってる。
 俺も、ずっとつくしと一緒にいられるの、嬉しいし。
 だから仕事も家庭も、助け合ってやっていこ?
 とりあえず、コーヒーの淹れ方、教えてよ。」
キッチンに向かって歩き始める類の背中を、つくしはぼんやりと見つめる。
これから始まる、二人だけの生活。
心のどこかで諦めていたことを、察して、現実のものとしてくれた。
楽しいことばかりではないかもしれない。
ケンカをすることもあるかもしれない。
けれど、それすらも今は楽しみに感じてしまう。

「つくし?」
「あ、今行く!」

走り寄るつくしに差し出された、大きな手。
それをしっかりと握ると、伝わるのは優しい温もり。
「類に会えて、ほんとよかった。」
ポツリと零した呟きに、類も『俺も。』と、幸せそうに微笑んだ。


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


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