2016.09/08(Thu)

Everlasting Love ①


4万HIT、ありがとうございます!!
これもひとえに皆さまのおかげ…本当に感謝感謝です!

そして、前回お知らせしたとおり、4万HIT記念のお話をお届けします。
CPは類つく。
原作の設定は忘れてくださいw

全9話です。
3時間おきに更新していきますね~
少し長いですが、よかったらお付き合いください♪


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


『あたし、おっきくなったら、るいのおよめさんになるっ!』

無邪気な笑顔。
あどけない妹が可愛くて、大切で。
ちょっとお転婆で、よく転んで泣いてたっけ。
そのくせ怖がりで、寂しがりで。
ひとりで寝るのが寂しいって言って、しょっちゅう俺のベッドに潜り込んでた。
そんな時、必ずこう言ったんだ…

『ずっと一緒にいようね』

あの頃は何も疑うことはなかった。
俺たちはずっと一緒にいるんだって思ってた。


けど、時が経てば、それが子供の戯言だったんだと気付かされる。
思春期の頃にもなれば、一緒に寝ることもなくなり、言葉を交わすことも少なくなった。
俺と違って社交的なつくしは友達も多かったし、たびたび告白されていることも知っていた。
でも、その告白はすべてこの一言で玉砕していた。

『好きな人がいるのでごめんなさい』

その相手が誰なのか、俺は知らない。
けど、その言葉で、俺の初恋も終わったんだ。


兄妹なのに、初恋っておかしいと思うかもしれない。
社会的に許されないっていうのはわかってる。
でも、いつの頃からか、俺はつくしを『女』として見ていた。
このことは誰にも言わない。
もちろん、つくし本人にも。

これは俺だけの秘密。
ずっと胸に秘めたまま、生きていくと決めたんだ。





俺は大学1年、つくしは高校3年になった。
夏休みは毎年、家族4人で葉山の別荘で過ごす。
でも、さすがにこの年になると、そういうことが煩わしい。
つくしにしてみても、家族と過ごすより、友達と遊びに行きたいに違いない。
今年からは行くのを止めようかと思っていた矢先、両親が『今年は葉山へは行かない』と言い出した。

「結婚して20年の記念に、夫婦で旅行に行くことにしたから。
 悪いが、今年は葉山にはお前たちだけで行ってくれ」

「でしたら、中止にしてはいかがですか。
 俺もつくしも、もう子供ではないのですから」

「そう言うなら、行くかどうかはお前たちに任せる。
 ただ、みんな休暇でいなくなるから、くれぐれも気を付けるように」

そう言い置いて、両親は旅行へと出掛けた。



結局、俺たちは葉山へは行かず、使用人の出払った邸でのんびりと過ごした。
つくしは友達との予定があるのか、毎日のように出掛け、日が暮れる頃に帰ってきた。
俺は親友からの誘いも断り続け、何をするでもなく惰眠を貪る。
東京にいたって、葉山にいたって、することは同じなのだ。
ならば、せめてつくしが過ごしやすい所にいればいい。
そんなことを考えながら、再び目を閉じた。


カタカタと窓を鳴らす風の音で目が覚めた。
そういえば台風が来てるんだったな…と寝惚けた頭で考える。
窓の外を見遣ると、空は灰色の雲に覆われ、遠雷が微かに聞こえた。
もともと静かな邸だったが、人のいないここは静かすぎて怖いくらいだ。
雲間に走る光が間隔を狭め、それとともに雷鳴も近くなる。
今夜は嵐になるかもしれない。
ふと過った予感に、俺はベッドを抜け出した。


廊下に出るなり、窓の外に閃光が走る。
それと同時に響く雷鳴。
灰色の雲は色を更に濃くし、重々しく空を覆いつくしていた。
ポツリポツリと落ちてきた雨粒はあっという間に激しく地面を叩く。
叩きつける雨粒に視界は遮られ、外の様子を知ることもできない。

つくしは大丈夫かな…。

覚醒しきらない頭で考えていた、その時。

ー バタンっ!

勢いよく玄関の扉が閉まる音が響く。

― この雨の中を帰ってきたのか…

相当濡れたに違いない。
風邪なんて引いたら面倒なことになる。
そう思いながら向かった先に見えたのは、耳を押さえ床に座り込んだつくしの姿だった。

「つくし?」

耳を押さえているせいか、俺の声は届かない。
ふう、と溜息を吐くと、ずぶ濡れのつくしに近寄った。
縮込ませたその体が小さく震えているのは、寒さのせいだけではないだろう。
怯えるように目を閉じ、耳を塞ぐ姿は幼い頃のままだ。

「ほら、立って。
 いつまでもここにいたら風邪引く。
 雷が遠のくまで一緒にいてやるから」

抱き抱えるように立たせると、雨に濡れた体は氷のように冷たい。
これじゃ本当に風邪引くな、とつくしを急き立て、部屋へと急いだ。


窓に打ち付ける雨足は弱まるどころか、さらにひどくなっているようにも思える。
ゴロゴロと雷が鳴るたびに、つくしはその身を強張らせた。

「類…怖い…」

幼子のような囁きが耳に届く。
恐怖に潤んだ瞳は硬く閉ざされ、留まり切れなかった涙が頬を伝う。

「そんなに怖い?」

「いつもはみんないるからいいんだけど…今日はダメ…」

静かすぎる邸に響くのは俺たちの声と打ち付ける雨音、そして不穏な雷鳴。
昔から怖がりなつくしにはこの状況は耐え難いらしい。

「とりあえず部屋戻ってシャワー浴びないと…」

「やだ…1人は怖い…」

「だからって、一緒に入るわけにはいかないだろ。
 大丈夫、ちゃんと待っててやるから」

その瞬間、空を切り裂くような雷鳴が轟き、振動が地を伝う。
それと同時に闇が俺たちを包んだ。

「きゃぁぁぁぁっ!!」

反射的にしがみついてきたつくしを、思わず抱き締め返してしまった。
突然のことに、処理しきれない感情が動き出すのを、止めることができない。
妹だけど、誰よりも大切で、誰よりも愛しい…女性、だ。
きつく蓋をしたはずの想いは、その捌け口を探して暴走し始めた。

暗闇の中、雲を走る光だけが俺たちを照らす。
恐怖に目を開けることのできないつくしを横抱きにし、俺は自室へと向かった。

「とりあえず、俺の部屋に行くよ。
 怖かったらしがみついてていいから」

つくしが聞いているのかどうかはわからない。
けれど、今はこの腕で、つくしを守らなければ。


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次の更新は12時です~♪


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