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夢見月~Primavera~

Moonlight Rhapsody ~Ⅰ~

えっと…昨日のヘタレなお知らせに、心温かいコメントありがとうございます(*^-^*)ちょっとだけ気持ちが浮上したので、ノソノソとPCに向かっております(笑)んが、やっぱり長編のラストはまだ書けていないので、先に5万SSを。(さっさとしないと6万になっちゃいそうなので(^▽^;)CPはいつも通りの【類×つく】でございます♪原作の設定はガン無視で書いてますので、ご了承ください。尚、ほどほどに性的表現を含みますので、ご注意く...

Moonlight Rhapsody ~Ⅱ~

あきらとともに執務室へ戻る。さっきの女の香水が僅かに香り、いつまでこんなことが続くのか、と溜息が漏れる。事情を知る秘書は苦笑を浮かべながらも何も言うことはなく、紅茶を供すると退室していった。芳しい紅茶の香りが鼻孔を擽り、廃れた心を多少ながらも癒してくれる。「そのペースだと、社内の女は皆抱いた感じ?」優雅なティータイムには似つかわしくない話題に類の表情が曇っても、まったく意に介さない。しかし、それが...

Moonlight Rhapsody ~Ⅲ~

2016年10月31日。美作の父の誘いを断りきれず、渋々とパーティー会場へと向かった。会場のホテルは今日がハロウィンだということもあり、色鮮やかに着飾った人で溢れている。類の登場に女性たちは色めき立つが、当の本人はまったく興味がない様子で、笑顔の1つも見せない。それがまたクールでいい、とか、自分にだけ笑顔を向けてほしい、とか、勝手な囁きが辺りに響く。この光景も類にとっては見飽きたもので、煩わしい以外の何物...

Moonlight Rhapsody ~Ⅳ~

パーティーでの出会いから数日。名刺に書かれたその文字に溜息が漏れる。『山田花子 0x0-1031-1228』それが偽名であることは、火を見るより明らかだ。ということは、名前の下に書かれた電話番号も偽物だろう。念のため、と、一応確認してみたが、やはりそれは適当な数字の羅列だった。その女性のことをあきらにも聞いてみたが、取引先の一社員だったのか、記憶にないと言う。そもそも人一倍他人に関心のない類が、一度会っただけ...

Moonlight Rhapsody ~Ⅴ~

つくしを連れて入ったのは、類が一人で飲みたい時に行くバー。顔馴染みのマスターは、類に連れがいることに一瞬驚いたが何も言わない。「奥、いい?」「空いてますよ、どうぞ」「牧野さんはお酒は?」「あ、あんまり…」「そ。じゃ、俺はいつもので。 彼女には弱めのカクテルを」それだけ伝えて、その先の個室へとつくしの手を引いた。他人の温もりが心地いいと感じたのはいつ以来だろう。普段、あれだけ女の肌に触れているのに、...

Moonlight Rhapsody ~Ⅵ~

バランスを崩したつくしを受け止めるように、この腕に抱く。今までに感じたことのない、その甘やかな感触に言葉を失った。この腕を離したくない。この温もりを他の誰かに渡したくない。誰でもない、つくしを心から欲しい。自覚したばかりの想いが暴走する…つくしへと向かって。腕の中で、驚いたように類を見上げるつくし。その瞳には動揺と困惑が入り混じる。「あっ、あの…っ」切なげに揺れる類の瞳が酷く傷付いているように見え、...

Moonlight Rhapsody ~Ⅶ~

つくしに告白をしてから数日が経過した。一向に来ない連絡を待ちながらも、気持ちは穏やかだった。それは、あの『日常的行為』を止めたせいかもしれない。再会したあの日、つくしを自宅まで送り届けてすぐに秘書へと連絡を入れた。『例の予約、すべてキャンセルして』と。付き合いの長い秘書だ、その真意は言わずとも伝わる。指示を受けた秘書の声が嬉しそうに聞こえたのは気のせいではないだろう。彼もまた、心無い行為に胸を痛め...

Moonlight Rhapsody ~Ⅷ~

花沢物産本社ビル。高く聳え立つその建物を見上げ、つくしは深い溜息を吐く。上司である滋の遣いとはいえ、なぜ自分が来なければならないのか。好意にも悪意にも取れる、滋の計らいにつくしの足取りは重い。インフォメーションカウンターで用件を伝えると、受付の女性から訝し気な視線を向けられる。つくしにしてみれば社用での訪問であったが、これまでの経緯を思えば当然なのかもしれない。『暫くお待ちください』と告げられ、カ...

Moonlight Rhapsody ~Ⅸ~

手を引かれるまま、通されたのはガランとした部屋。置いてあるのはベッドとテレビだけ。そして、部屋の片隅にはミスマッチとしか言いようのない鉄の鎖。「ね?何もないでしょ?」大きな窓にはカーテンもなく、殺伐とした部屋がもの寂しい。「こんなに広いのに、もったいない…」「いいんだよ。必要最低限で。 基本、この部屋に誰かを通すことはないからね」「え?」「牧野さんは特別」穏やかな微笑みを浮かべ、類はつくしの手を引...

Moonlight Rhapsody ~Ⅹ~

日に日に満ちていく月を見上げ、類は深い溜息を吐く。いくら覚悟を決めたとて、その日が来るのはきつい。身体に負った傷は数日もすれば消える。けれど、精神的ダメージはなかなか回復せず、数日寝込むこともしばしばだった。毎年願う…これが最後であってほしい、と。*「何とかできないのかなぁ…」一人で物思いに耽るには騒々しいほどの音に、つくしの独り言は掻き消される。滋に呼び出されたクラブ。そのカウンターで、つくしは頬...