2017.01/11(Wed)

THIS NIGHT


ご無沙汰しておりますm(_ _"m)

2週間遅れですが…つくしちゃん、Happy Birthday~♪
ということで、記念SSを書いてみました!

かなり前に、コメントの中で『雪』を題材に、というお話をいただいておりまして。
その辺りから何かないかと考え、思い出したのがTM NETWORKの『THIS NIGHT』。
か~な~り~古い歌ですし、ご存知の方も少ないかもしれません。
興味を持たれた方はググってみてください(笑)

ということで、素敵なお題をくださった凪子様へ献上いたしますよ~(´▽`*)♪

CPはいつも通り【類つく】です♡
原作設定は忘れてください(笑)


ではでは、よかったらお楽しみくださいませ♪


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


あたし、牧野つくし。
今日は一年に一度しか来ない、特別な日。
それが、こんなに悔しくて、寂しい夜になるなんて、思ってもみなかった。



『ごめん…もう会うのはやめよう』

別れの言葉を残して去っていく、その背中を見送ることなんてできない。

ー 泣くもんか…

奥さんのいる男性との関係なんて、いつまでも続かないのはわかってたじゃない。
けれど、今日、いつも外してくる指輪がその指に嵌っているのを見つけた瞬間から感じていた『別れ』。

ー だからって、何も今日じゃなくたって…


誕生日のお祝いに、と予約してくれた高級レストラン。
その後は朝まで一緒にいる約束だったのに。

『つくしはいい女だから、すぐ次の相手が見つかるさ』

「そんな常套句で片付けようとする男なんて、こっちから願い下げよっ!」

『お前はいい女だよ。
 だから、次はちゃんと未来のある恋愛をしろよ』

大好きだった大きな手がフワリと頭を撫で、離れていく。


独り、残されたテーブルに置かれた箱。

ー こんなプレゼント、いらない…

あたしの誕生石である、ラピスラズリのネックレス。
それを箱から取り出し、シャンパングラスに沈めた。
小さな気泡が立ち上がり、消えていく。
あたしの想いも、この泡と一緒に消えてしまえばいい。

ー もう、帰ろう…

店を出ると、12月の寒空から白い結晶が舞い落ちていた。
広げた掌に落ちた欠片は一瞬にして溶けてなくなる。

ー これくらい、簡単に消えてくれればいいのにな…

コートの襟元を合わせ、空を見上げると。
無機質な街の喧騒に、なぜか心が安らぐ。
独りなのに、独りじゃない錯覚。
何だか可笑しくて、思わず笑いが込み上げる。

ー 大丈夫…あたし、笑えるじゃん。

前を向き、一歩を踏み出す。
音もなく、降り頻る雪さえも温かく感じた。


**


俺、花沢類。
俺は今日、全てを失った。
悔しいとも辛いとも思わない。
ただ、終わった…そう思っていた。


社長である親父からの命令で、とある商談を進めていた。
俺にとってはどうでもいい話。
けれど、会社にとっては重要な案件だという。
そんな大事な商談なら自分で行けばいいのに、と言う俺に、親父はこう言った。

『もしこれが成立しなかったら、お前はクビだ。
 この邸の敷居は二度と跨げないと思え。
 会社の役に立たんヤツはいらん…わかったな?』


そして、臨んだその席。
ニコニコと笑う狸親父の隣には、なぜかその娘と思しき女が座っている。

ー そういうことか…

俺を見るなり、うっすらと頬染め、俯いた女に何の感情も沸かない。
この世界ではよくあることだ。
会社を大きくするためには、子供はただの駒でしかない。
頭ではわかってはいたけど、現実となれば到底受け入れることなどできるわけがない。

狸親父は下卑た笑みを浮かべ、言った。
『娘と結婚するのが条件だ』と。
親父の言葉と、そこにある現実が交錯する。

どっちに転んでも、俺に幸せはない。
ならば、答えは1つだ。

「そんなことを条件にしてくるような会社との取引はお断りします。
 それに、もし万が一お宅の娘さんと結婚したとしても、子供は望めませんよ?
 だって、俺、好きな女しか抱きませんから」

俺の返事に、娘は泣き出し、狸は顔を真っ赤にして怒鳴り散らした。
が、そんなことはもうどうでもいい。
席を立ち、会釈もせずに店を出る。
曇っているわりに空が明るいと思ったら、とうとう降ってきやがった。

「寒っ…」

迎えにきた運転手にビジネスバッグを手渡すと、邸とは逆方向に歩き出す。
もう帰る家もない。
解き放たれた籠の鳥はどこへ向かって飛べばいいのか。
灰色の空から舞い落ちる白い欠片が、飛び立った鳥の羽毛のようで。
思わず手を伸ばした瞬間、それは掌の中で跡形もなく消えていった。



***



「そんなことがあったんだ…」

腕の中で、温もりを求めるように縋りつく愛しい女。
密着させた素肌には、まださっきまでの余韻が残る。
あの日、全てを失った俺は、今、それ以上に大切な存在を得た。

「つくしが不倫って…想像できないね」

「そう?」

「うん…だって、つくしって一途じゃん」

「そんなこと、ないよ…」

「じゃあ、俺以外の男、好きになれる?」

「…類って、ほんと、いじわるね」

「好きな子を苛めたくなるのは、子供だけじゃないんだよ?」

滑らかな肌に指を這わせると、その快感から逃げるように身を捩る。
艶かしくくねる肢体は、俺の本能を刺激して熱を生む。


つくしと出会ったのは、本当に偶然だった。
あの雪の日、フラッと立ち寄ったバーで、たまたま居合わせた俺たち。
お互い、話相手が欲しかっただけなのに、気付けばくだらない話に声を上げて笑っていた。

寂し気に笑う、つくしの傷付いた瞳が印象的だった。
けれど、あの時の俺に、つくしを癒してやれるだけの度量はなかった。
希望を失った者同士、傷を舐め合うように始まった関係。
それぞれに抱えた傷は、一年経った今、その痕跡を露わにした。


「る、類は?お家のこととか、後悔してないの?」

「ん?するわけないじゃん。
 あんな家よりつくしのが大事」

「で、でも…」

「子供を駒にしなきゃ続かないような会社なら潰れてもしかたないよね。
 もしあの時、全部を諦めて結婚してたとしても、たぶん結果は一緒だよ」

あの後から、親父とは一切連絡を取っていない。
時々、母親から近況報告のような電話が掛かってくるが、それも出たり出なかったり、だ。
母親の話だと、俺を解雇したことに不満を持った社員がごっそり退職したという。
そのことで会社は傾き、倒産間近だとも噂されている。

「でも、戻ってきてって言われてるんでしょ?」

「戻るわけない…最初に切り捨てたのはむこうなんだし。
 それに、今の俺がいるのはつくしのおかげだから」

あの雪の中、行く当てのない俺の手を引いたのはつくしだった。
そのまま転がり込んだ俺に、つくしは嫌な顔一つしない。
狭い部屋で、お互いの気配を感じながら過ごした時間に、俺がどれだけ癒されたか。
ゆっくりと、でも確実に、この絆は強くなっていた。

不意につくしの細い腕が俺を抱き締める。
胸元に頬を当て、その可愛らしい唇が、彼女の想いを零す。

「ねぇ、類。あたしってすごく我儘なんだ。
 類のことを考えれば、この腕を解かなきゃって思うのに…できないの。
 離したくない…何処にも行かないで…ずっと、あたしのそばにいて…」

愛しい我儘に、思わず頬が緩む。
見上げた窓の外には、天使の羽のような雪がフワフワと舞い落ちていた。

「出会った日さ…俺、あの雪と一緒に溶けて消えちゃえばいい、って思ってた。
 でも、あの雪がつくしと出会わせてくれた。
 つくしは俺の天使だけど、もしその羽が羽ばたこうとしたら、俺、それを捥いでしまうかもしれない。
 二度と、俺から離れていかないように…」


  ”いつまでも いつまでも 君はぼくのものだよ”
  優しくうなずく君に 言葉はいらない
  いつか こんな日がふたりに訪れることを
  Happy Birthday 響く夜は 誰も知らなかった…



愛しいその身を抱き寄せ、耳元で囁く。

ー おめでとう…つくし。
  来年も、再来年も…10年後も、20年後も。
  ずっとこの日を、一緒に祝うよ。
  つくしと俺が、出会ったこの日を…。



~ Fin. ~


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


こんな感じになりましたが、いかがでしたか?
12月28日に雪は降ってないぞ!とかいう苦情は受け付けておりません(笑)
いろいろ無茶な話の展開もありますが、そこはご愛嬌、ってことで( *´艸`)

凪子様のお題に応えられたか、ちょっと不安ではありますが…(;´・ω・)
私の技量ではこれが限界です(^▽^;)


次は何書こうかな~…と考えつつ、今回はこの辺で。
またお会いしましょう♪


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


皆さまからのコメントや拍手、本当にありがとうございます♪

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