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夢見月~Primavera~

離れていても(1)

花より男子【類×つく】です。オリキャラ有。糖度は低め?です。☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆国際線搭乗ロビーのベンチ。優紀は親友の旅立ちを見送りに来ていた。「ねえ、つくし。 本当に言わないで行くの?」つくしの決断を素直に喜べない気持ちが隠せない。「うん。でも、優紀に会えてよかった。 ありがとね」笑顔を向けたつくしの、その表情に不安は見てとれない。むしろ、期待に胸を躍らせ、とても楽しそうだ。「落ち着...

離れていても(2)

あれから4年が経ち、つくしは大学を上位の成績で卒業した。ゼミの教授から大学院への推薦を受けたがすべて断り、そして今、空港のロビーで優紀と別れ、機上の人となった。大学在学中も、司以外のF3や桜子、滋との交流はあったが、それぞれ忙しくしていて、以前ほどではなかった。司からの連絡はなく、事実上の自然消滅となっていた。それを寂しく思う気持ちがないわけではないが、司の置かれた立場を察せる程度には大人になって...

離れていても(3)

現地の支援団体の事務所に着き、その扉を叩いた。『はーい!』出迎えてくれたのはつくしよりも少し年上の女性だった。「今日から参加させていただきます、牧野つくしです!」勢いよく頭を下げ、挨拶をする。「ふふ。元気があっていいわね。さあ、中へどうぞ」出迎えてくれた女性は笑顔でつくしを招き入れた。「私は高瀬夏海っていいます。ここの団体のマネージメントリーダーみたいなことをしてるわ。 あなたのことは廣田くんから...

離れていても(4)

類は大学卒業後、父の元で会社経営の一端を担っていた。傘下の子会社の社長をいくつか兼任し、その業績は父の想像をはるかに上回っていた。若きリーダーの登場に、花沢グループの株価も右肩上がりだ。そんな類も、つくしのことを忘れることができなかった。忙しくしていれば考えなくて済む…そう思ってがむしゃらに仕事に打ち込んだ。もちろん、そんな気持ちを知る者はいない。ただ1人を除いては…-。花の都・パリ。商談絡みの渡航...

離れていても(5)

2年の赴任期間を終え、つくしは帰国の途につく。その隣にはなぜかフレッドの姿があった。もともとフランス国籍の彼は、つくしの帰国に合わせて実家に帰省するのだと言う。あの丘での告白以後、そのことについて彼からは何も言ってこなかった。返事を保留にしたままのつくしは居心地の悪さを感じていた。『ねえ、つくし。パリに何日か滞在するならうちにおいでよ。 あ、もちろん友達として、だよ。 パリの俺の友達も紹介するよ!...

離れていても(6)

「…牧野?」静の背後から飛び出してきたのは類だった。類はつくしの姿を確認すると走り出し、つくしをその腕に抱きしめた。「…ばか、やろうっ…」ふだんの穏やかな類からは想像もできないほど、その腕は力強く、その声は悲しそうだった。「え…花沢、類?…何で…?」突然のできごとに、何が起こったのか理解できず、動揺を隠せないつくし。その瞳に浮かぶ涙を拭うこともできなかった。会いたくて、でも会ってはいけないと思っていた。...

離れていても(終)

突然の告白に、つくしは何も考えられずにいた。忘れようと思っていた。忘れてくれると思っていた。なのに、どうして忘れられないのかと、涙が出たこともあった。そしてまた、類も忘れてくれてはいなかった。ー この気持ちを伝えてもいいのだろうか押し黙ってしまったつくしを類は優しく見つめた。突然こんなことを言って困らせたかもしれない。でも、どうしても伝えたかった。俺の気持ちは変わってないことを知っていてほしかった...