2018.01/02(Tue)

My Destiny ~前編~


新年、明けましておめでとうございます。
皆様にとって、幸多き一年になりますように。
そして、今年も当ブログに足を運んでいただけたら幸いです。
(その前に更新してよ!っていうのは聞こえないフリ…)


やってきました、平成30年!
だからってな~んも変わりません!
元旦?何それ、おいしいの?
こっちは仕事だっつーのっ!

そしてそして。
昨夜は『スーパームーン』でしたね!
去年はシャイムーンイヤー…だと思っていたのですが。
実は、12月4日がスーパームーンだったみたい?
過ぎてから気付いて、あらま!ってなりました(笑)

新年早々のスーパームーン。
そして、この1月はブルームーンらしいです。
ひと月に2回満月が拝めちゃいます!
それに2回目の満月は、何と司の誕生日である1月31日!
いろいろめでたいなっ!(笑)


正月早々、変なテンションで書き始めましたが。
今年もよろしく、ってことで。
年明け一発目は、気紛れで書いた『My Destiny』。
これは『Moonlight Rhapsody』の続編です。
狼男・類くんと、その運命の相手・つくしちゃんの純愛?ストーリー。
以前、コメントで続編を!との要望もあり、1年ぶりのスーパームーンにあやかって書いてみました。

…連載の続きはちょっと待ってくださいね(^_^;)


ということで、よかったら読んでやってください。


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


運命の出会いがあるとしたら。
間違いなく、この二人は運命に導かれて出会った。

新月の願い。
満月の誘い。

月夜に動き出した運命の歯車はしっかりと噛み合い、滑らかに動き続ける。
その動きを止めることは、すなわち運命に逆らうということ。

長い呪縛を解くこの出会いに、愛の女神の加護を。


***


類とつくしが出会って1年。
花沢物産専務執務室から女性の嬌声が消えて、1年。
あの悪評もすっかり消え失せ、その変わり様に周囲は目を細める。
何があったか、までは知らない。
だが、それは紛れもなく『牧野つくし』の存在がそうさせた。

交際を開始して半年を過ぎた頃、類の両親と会った。
花沢の因縁を知ってもなお、揺るがないつくしの想いに、両親は笑顔でつくしを受け入れてくれた。
懸念材料であったつくしの出自も一笑に伏される。
近く、つくしの両親にも挨拶に行って正式に婚約を、とまで言ってくれた。

花沢社長夫妻がその関係を認めたとあれば、邪魔するものは何もない。
結婚は秒読みだろう。
そんな二人を、周囲は温かく見守っていた。


怖すぎるほどに、順風満帆だった。
つくし自身、類と歩む未来に1ミリも不安はない。
もし、この先に大きな障害が待っているとしても、類となら乗り越えられる。
つくしは、そう思っていた。


しかし、突然、その歯車に楔が打たれることになる。


***


休日のある日。
つくしはとある場所へと向かっていた。
郊外の、鄙びた小さな病院。
慣れた足取りでフロアを抜け、つくしはその病室の扉を勢いよく開けた。

「元気にしてた?
 なかなか来れなくてごめんね…進。」

その部屋で眠ったように横たわっているのはつくしの弟。
数年前、交通事故に遭った。
何とか一命は取り留めたものの、高度の意識障害が残った。
目を開けることも、言葉を発することもない。
ただ穏やかな顔で眠る進に、つくしは笑顔を向けた。
「今日はいいお天気よ。風も気持ちいいし。
 小さい頃、パパとママと4人でピクニックに行ったあの日みたい。」
温かなその手を撫でながら、元気だった頃を思い出す。
つくしと進は2つ違いで、とても仲のいい姉弟だった。
お転婆なつくしと、しっかり者の進。
両親が共働きだったため、二人で過ごした時間は多かった。
事故に遭って暫くはその現実を受け入れられなかったが、今となってはどんな状態でも生き続けていてほしいと思えるようになった。
「そうそう!あのね、あたし恋人ができたの!
 すっごいかっこいい人なんだよ!
 今度、進にも会わせてあげるね!」
類に進のことは話していない。
けれど、きっと類は進にも笑顔で語りかけてくれるはずだ。
―よかったね、姉ちゃん。
声は無くとも、穏やかな表情がそう言っているように見えて。
「うん、進もきっと気に入るよ。
 すごく素敵な人だから。」
幸せそうに微笑むつくしに、進も無言の祝福を送る。
静かに流れる時間を楽しむように、その後もつくしは進にいろいろと語りかけて過ごした。

程無くして、つくしの母親が病室を訪れた。
「あら、来てたの?今日は休み?」
洗濯物やら身の回りの物を詰めた鞄を傍らに置き、母も進に声を掛ける。
「珍しい人が来て、驚いたんじゃない?」
「そんなことないでしょ!月に一度は来てるし!」
拗ねた風にプイッと顔を逸らしたつくしに、母はクスッと笑う。
が、次の瞬間、その目を瞠った。
「つくし…あんた、彼氏できたの?」
「へ?何で…?」
まだ言ってなかったはずなのに…と不思議に思い、母を見ると。
その視線はつくしの首元を見つめていた。
「あ…これ?」
気恥ずかし気に首元を押さえ、つくしは僅かに頬を染めた。

露わになった首筋に残る、薄紅色の痕。
それは、紛れもなく類と愛し合った証。
その存在に気付いて怒るつくしに、類はクスッと笑って『虫除け、だよ。』と言った。

うっかり失念していたとはいえ、それを母に指摘されるとは。
しかし、母の表情は硬く、いつもの暢気な笑顔は消えていた。
「あんた…その人と結婚とか、考えてるの?」
まるで賛成しかねるとでも言いたげな母を、つくしは不思議そうに見つめた。
「まぁ、あたしもいい歳だしね。
 この前、向こうのご両親には会ったよ。
 すごく喜んでくれたし、ママだって会えばきっと気に入…」
「そういう問題じゃないの。
 とにかく、一度会って話しましょ。
 断られるなら、早いうちがいいわ。」
つくしの言葉を遮る母の口調は穏やかではない。
断られるはずなんてない。
そうは思っても、母の徒ならぬ様子に、つくしの心に不安が過った。




それから数日。
つくしはあの母の言葉を類に伝えられずにいた。
早く両親に会わせて、このモヤモヤを振り払いたいのに。
もし、母の言う通り、花沢の両親に結婚を断られたら…と思うと二の足を踏んでしまう。

そんなつくしに、類の態度は何一つ変わることはなかった。
それはあの日の出来事を全て知っていたから。

『知り合いに会いに行く』と言って出かけたつくしに、こっそりとSPを付けた。
最初は警備目的だったが、それ以上に誰に会うのか知りたかった。
つくしの行動に不審なことはなかった。
会いに行ったのは弟の元であることもわかった。
面会が終われば、笑顔で帰ってくるはずだ。
そう思っていた類に、SPから不穏な報告が告げられる。

『母親が結婚に難色を示している。』

薄く開いた扉から、漏れ聞こえた会話。
「断られるなら、早いうちがいいわ。」
その意味を理解するには情報が足りない。
そもそも、花沢の因縁を知った牧野の両親が逃げ腰になることの方が可能性としては高いはずだ。
花沢がつくしを受け入れない理由など、現段階では思いつかない。

ならば、早々に会うほかないと決め、両親にも連絡を入れた。
来週末に帰国する約束を取り付け、つくしにもそれを伝える。
「次の週末に両親が帰国するんだ。
 その時につくしの両親にも会いたいって。
 予定を空けてもらうように頼める?」
数瞬の間、つくしの表情が硬直する。
けれど、そんなつくしに類は優しく微笑みかけた。
「つくし。大丈夫だよ。
 つくしがいない未来なんて、俺にはあり得ない。
 もし反対されたとしても、ちゃんと話してわかってもらおう?
 どんなに時間がかかっても、俺は絶対に諦めないから。」
「類…。」
「寧ろ、俺の方が不安だよ…こんな男に娘はやれないって言われてもしかたないし。
 親父もね、母さんと結婚する時、猛反対されたんだって。
 そりゃそうだよね…こんな血、気味悪がられて当然だよ。」
自嘲を浮かべる類に、つくしは少し俯きながらフルフルと首を横に振った。
「…この前、ママと会った時、結婚したい人がいるって言ったの。
 けど、ママはすごく怖い顔をしてて…全然喜んでくれなかった。」
「俺のこと、話したの?」
再び、つくしは首を横に振る。
「話してない。
 ママって普段はほんと暢気な人だけど、人を色眼鏡で見ることは絶対しないの。
 だから、類のことを知っても、それだけで反対したりはしない。
 何か問題があるとすればあたしに…。」
が、つくしの言葉は類の唇に遮られる。
そっと触れるだけの、優しいキス。
一瞬の甘い感触につくしの意識は攫われ、それ以上の言葉は空に消えた。
呆気に取られたつくしの身体を、類の腕がフワリと包み込む。
「もし本当につくしに何かあったとしても、そんなの俺は気にしない。
 つくしのことを誰よりも愛してるし、結婚もつくし以外となんて考えられない。
 ママさんが何を心配してるのか知らないけど、俺につくしを諦めさせるのは無理だから。
 けど、つくしが気になるならちゃんと聞いてみよ?
 でもこれだけは覚えてて。
 どんなことがあっても、俺はつくしを手離さない。」
薄茶色の瞳に宿る強い意思を受け入れるように、つくしは類の背中をギュッと掴んだ。
「うん…あたしも、類以外考えられない。
 ママがどんなに反対しても、類と結婚、するんだから…。」
未来を誓い合うように、寄せた唇をしっかりと重ねた。

お互いの吐息を感じ、劣情が身も心も支配していく。
ゆっくりと横たえたつくしの華奢な躯体は類の熱に浸食され、自制を失う。
蕩けた瞳が、甘い嬌声が、類を煽り、溺れさせ、つくしを求める獣へと貶める。
「悪い女。けど、愛してる。」
最奥への侵入を果たしピタリと肌を合わせれば、もう誰も入り込める隙はない。
呼吸を整えるように深く息を吐くと、類は何かを思い出したようにポツリと呟いた。
「知ってた?今日はコールドムーンなんだ。」
「な、に…?」
「12月の満月のこと。
 それと、今夜の月はスーパームーン並みに地球に近い。」
「え?けど、今年は…。」
2017年はシャイムーンイヤー。
月の最接近は、ない。
「そ。けど、スーパームーン自体、きちんとした定義がないんだ。
 今夜の月をスーパームーンとするかどうかは学者それぞれの見解で変わる。
 けど、俺にとってはもう関係ない…つくしを愛することを知ったからね。」
間近で見つめる瞳が艶やかに煌めく。
ドキンと胸が高鳴り、類を包む熱がそれを愛でるようにキュウと収縮する。
堪らず軽く腰を揺すれば、つくしの顔が快感で歪んだ。
「愛する者を得て、姿を変えることを止めた血が、次に求めるのは何だと思う?」
不意の質問に、つくしの思考が追い付かない。
クスッと笑った類は、その正解を告げる。
「それは『血を継ぐ者』。」
「…え、それって…。」
僅かな苦笑を見せる類に見える、戸惑い。
繋がりを解くことも、それ以上の快感を求めることもできない、理由。
「言わない、っていう選択肢もあったんだけどさ。
 俺のエゴだけで決めていいことじゃない。
 子供がデキれば結婚は認めてもらえるかもしれない。
 けど、俺はこの血を…。」
今度はつくしの唇が類の言葉を切る。
「言ったよね、あたし。」

初めて、その身体を繋いだ日。
躊躇う類に告げた、その想い。

―あたしはその子を愛して、護るよ…

類の両親も、そのまた両親も、そうしてきたように。
どんな運命が待っていようと、愛し、護ると決めた。

「覚えてるよ、ちゃんと。
 つくしと出会えて、あの言葉をもらって、俺、救われたんだ。
 忘れるわけない。
 でもさ、先にやらないといけないことがあるでしょ?」
この状況で何を、とつくしは訝しむ。
「ママさんのこと、忘れてない?」
「あ…そうだった。」
頭の隅に追いやられていた問題を引き戻し、再び向き合う。
「大丈夫。俺が絶対守るから。
 つくしを幸せにできるのは俺だけだよ。」
「うん。類も、でしょ?
 あたしとじゃなきゃ、幸せになれないもんね?」
「当たり前。」
クスリと微笑み合って、キスを交わす。
二人の境が解らなくなるほど触れ合い、溶けていく。

昇りつめた先に待つのは、幸せな時間。


運命の女神・モイライの定め。
クロトの紡いだ糸によって導かれた、ラケシスの描く未来。
それはアトロポスの鋏が断ち切るまで続く。
その糸の太さも長さも、わからない。

ならば、その日まで。
迷うことなく、共にある幸運を喜び合おう。
邪魔者は、いない。
それが『運命』なのだから。


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