2018.02/05(Mon)

My Destniy ~完結の半歩手前~


またまたふざけたサブタイトルですんません(^▽^;)
次で完結させる予定ですが、気分次第で変わるかも?
ま、Rを書くかどうするか、ってだけなんですがね(笑)

とりあえず、続きです。


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆



無事結納を済ませた後、ささやかながらつくしの誕生日を祝った。
「本当なら、もっと盛大にお祝いする予定だったのよ…。」
残念そうに呟く優美に、つくしは恐縮しながらブンブンと手と首を振る。
「そんな!お気持ちだけで十分ですから!」
「つくしさんは欲のない人だね。
 けど、類にはそれもまた魅力なんだろう?」
僅かに上がった口角が、孝の上機嫌を物語る。
「まぁ、そうだね。
 俺としては二人っきりがよかったんだけど、今年は特別だよ?」
「それはすまなかったね。」
クスッと笑った孝は内ポケットから何かを取出し、つくしの前へと差し出した。
「つくしさん、誕生日おめでとう。
 これは私たちからのプレゼントだ。
 もらってくれるかい?」
「え…?」
その手元にあるのは、カードキーのような物。
ホテルの名前や部屋番号は印字されていない、シンプルな銀色のカードだった。
「…これは?」
どこかのホテルのスイートの鍵だろうか。
そうつくしが尋ねようとすると。
「ふーん…いいじゃん。すぐ住めんの?」
「ああ。必要な物は全部揃ってる。
 二人で住むなら3LDKもあれば十分だろう?」
「セキュリティは?」
「入口にコンシェルジュが24時間常駐している。
 生体認証でのロック解除だから心配はない。」
孝の言葉に、牧野の両親もうんうんと頷く。
「そ。なら、問題ないね。」
満足そうに類が微笑む、と。
「ね、ねぇ…類?」
一人、状況を飲み込めないつくしが不安げに類の袖を引いた。
「ん?どうした?」
「全然話が見えないんだけど…?」
「うちと、牧野のご両親からのプレゼントだって。
 はい、これ…俺たちの新居の鍵だからね、ちゃんと持ってて。」
「新、居…?」
ますます意味がわからない、と首を傾げるつくしに、千恵子はクスクスと笑った。
「私たちも見せてもらったけど、とっても素敵なお部屋よ。
 そこで、あなたが類さんのお世話をするの。」
「私たちとしては一緒に暮らしたいんだけど。
 あの邸だとつくしさんが窮屈に感じてしまうんじゃないかと思ってね。」
「そんなこと…っ!
 今までもお世話になってたし、あたしはこのままで…。」
そんな高価な物はもらえない、と必死に言い募る。
「つくしさん、このマンションは君の物だ。
 住む、住まないは自由にしていい。
 もしも類とケンカした時や一人になりたい時に使ってもいいしね?」
つくしを気遣う気持ちに、言葉を失う。
これ以上何かを言えば、その気持ちを無下にすることになる。
困惑気味に類を見上げれば、柔らかな微笑みが降ってきた。
「ケンカなんてするつもりはないし、つくしが一人になりたいって思うような状況もあり得ない。けど…。」
フッと顔をつくしの耳元に寄せ、類がコソッと何かを囁く。
その瞬間、つくしの顔が真っ赤に染まった。
「…でしょ?」
「ちょっ!何言って…っ!」
「あらあら?なぁに?内緒話なんかして。」
クスクスと笑う優美に、つくしが何も返せずにいると。
「秘密。それより、これ、ちゃんと持っててよ。」
類がつくしの手にカードキーを手渡すと、それを大事そうに胸元で握りしめる。
「ありがとう、ございます。」
つくしの言葉に、両親たちは安堵の息を漏らした。

「それと、これもね。」
類は徐に立ち上がると、つくしの背後に回る。
そして、その首元に手を伸ばした。
「…え?」
ひんやりとした金属の感触。
胸元に視線を落とすと、そこには澄んだ青色の石が見える。
「これはつくしのママさんから。」
「…アクアマリン?」
「似てるけど、違うの。
 それはブルージルコンっていう石よ。
 あんたの誕生石で、厄除けと安産のお守りになるんですって。」
「そうなんだ…って、安産!?」
「そうよ。あんたは花沢家の跡取りを生むんだからね?
 正直、まだ不安もあるけど、でも類さんとなら大丈夫でしょ?」
千恵子が不安に思うのはしかたないことと解っている。
けれど、それでも尚、類と生きると決めた。
千恵子の不安を払拭するには、類と幸せになった自分を見せること。
それしかない。
背後に立つ類を見上げ、肩に触れる類の手に自分の手を重ねる。
「うん。あたしは類と一緒じゃなきゃ嫌。」
フワリと微笑むつくしに、類は苦笑いを浮かべた。
「…そんな可愛いこと言わないでよ…我慢できなくなるじゃん。」
重なった二人の左手には、お揃いのリングが光る。
類はそこに唇を寄せながら、つくしにだけ聞こえるように囁きを落とす。
「早く、二人っきりになりたい。」
と、つくしは再び頬を赤らめながら、小さく頷いた。
「ママ、これ、ありがとう。
 あたしは大丈夫だから。
 どんなことがあっても、絶対幸せになるよ。ね?類。」
「当たり前。
 パパさん、ママさん、つくしのことは必ず幸せにします。
 進のことも、つくしと一緒にフォローしますから。」
「類さん、進のことまで気に掛けてくれてありがとう。
 進も、きっと心強く思ってると思います。
 花沢さん、これから末永くよろしくお願いします。」

和やかに微笑み合う彼らの声を聞きながら、進は穏やかに微笑む。
が、それが表情に現れることはない。
いつか、あの輪の中で一緒に笑い合いたい。
そう、願わずにはいられなかった。




翌朝。
つくしは見慣れない光景の中で目を覚ました。
だだっ広いキングサイズのベッドに、肌触りの良い寝具。
壁一面がカーテンで覆われていることから、きっとその向こうはガラス張りの窓になっているのだろう。
天井は高いし、照明はシンプルだが安物ではない煌きを放っている。
「…ここ、どこ?」
つくしがやっとの思いで呟くと。
「ん…おはよ。」
聞き慣れた声と同時に、筋肉質の腕に閉じ込められる。
「へ?…類?」
「…ん。今日から休みなんだし、もうちょっと…。」
耳元にスース―と安らかな寝息が聞こえる。
その心地よいリズムに、つくしも危うく眠りへと堕ちそうになるが。
「って、何なの?この状況は。」
寝入ってしまった腕が緩んだ隙に、ベッドを抜け出した。

寝室だけでも十分な広さがあるのに、その先のリビングは更に広かった。
やはり壁は一面ガラス張りの窓になっていて、そこから下を見下ろしても歩く人の姿は米粒程度にしか見えない。
ウロウロと部屋の中を歩き回り、センスのいい家具や調度品に何度も溜息を漏らした。
「何なの?ここはどっかのホテル?」
と呟いた瞬間、テーブルに見覚えのあるカードキーを見つけた。
「あ、これ…昨日の…。」
誕生日プレゼントだといってもらった、マンションのキー。

―ということは、ここがその部屋?
 にしても、広すぎない?
 確かに、すぐ住めるようにはなってるって言ってたけど。
 でも、何ていうか…家っていうよりホテルみたい…。

ブツブツと呟きながら、部屋を見て回っていると。
「気に入った?」
愛しい声と同時に、フワリとその温もりに包まれる。
「…類。」
「ん。おはよ。」
軽いリップ音が目元、耳、頬、そして唇に触れる。
「ここって…?」
「昨日言ってたマンション。
 昨日の帰り、つくし、途中で寝ちゃったでしょ。
 だから、俺が運んだんだよ。」
「う、っそ…ごめん!重かったでしょ?」
「ん?全然平気。
 それに、いくら重かったとしても、他のヤツに運ばせるとかないし。
 夫の務め?でしょ。」
クスッと笑って、頭をポンポンと軽く叩く。
「けど…ごめん。」
「いいよ。それより、コーヒー淹れて。
 この後、邸に置いてきた荷物が届くはずだから。」
「え?もうこのままここに住むの?」
「そのつもりだけど?ダメだった?」
「い、や…ダメっていうわけじゃ…ただ、いきなりすぎて…。」
戸惑うつくしに、類はフワリと微笑む。
「ここには基本的には使用人は置いてないんだ。
 この家のことは二人でやっていこうと思ってさ。
 といっても、俺は何もできないから、つくしにいろいろ教えてもらうことになるけど。
 つくしはそういう方がいいかなって勝手に思って決めちゃった。
 もし、人手が必要なら邸から呼んでもいいしね。」
その言葉で、類が両親からの贈り物を知っていたのだと解る。
そして、二人だけで暮らすことをきちんと考えてくれていた。
何より、つくしが望む形を理解してくれていた。
類にとっては『してもらう』のが当たり前だったはずなのに。
「あたし、がんばるね。
 類に不自由な思い、させないように…。」
「それは違うよ。
 夫婦になるんだから、助け合っていくのは当然でしょ?
 もし、つくしにばっかり負担がかかるようなら、即、邸に戻るって約束なんだ。
 だからそうならないように、俺もがんばるよ。」
「類はそれでいいの?仕事だってあるのに…。」
「仕事と家庭のことは別でしょ?
 確かに忙しくて手伝えないこともあるだろうけどさ。
 つくしに任せっきりにするつもりはないよ。あ、でも…。」
一旦言葉を切り、クスッと笑うと。
「つくしが専業主婦になるんなら、話は変わるけどね。」
「うっ…それは…。」
「仕事辞めるつもりないのはわかってる。
 俺も、ずっとつくしと一緒にいられるの、嬉しいし。
 だから仕事も家庭も、助け合ってやっていこ?
 とりあえず、コーヒーの淹れ方、教えてよ。」
キッチンに向かって歩き始める類の背中を、つくしはぼんやりと見つめる。
これから始まる、二人だけの生活。
心のどこかで諦めていたことを、察して、現実のものとしてくれた。
楽しいことばかりではないかもしれない。
ケンカをすることもあるかもしれない。
けれど、それすらも今は楽しみに感じてしまう。

「つくし?」
「あ、今行く!」

走り寄るつくしに差し出された、大きな手。
それをしっかりと握ると、伝わるのは優しい温もり。
「類に会えて、ほんとよかった。」
ポツリと零した呟きに、類も『俺も。』と、幸せそうに微笑んだ。


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


皆さまからのコメントや拍手、本当にありがとうございます♪
現在、ブログランキングは休止中。
定期的に更新できるようになったら再開する、かも?

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ


関連記事

テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

09:00  |  My Destiny  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP |