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夢見月~Primavera~

Lesson - The 5th unit - sec.1
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Lesson - The 5th unit - sec.1

類とフランス語の個人レッスンを始めて3ヶ月。簡単な日常会話はできるようになった。最近はイタリア語もちょこっとずつ教えてもらってる。夏休みになったら、類と一緒にフランスに行く予定。花沢のおじ様とおば様にも会いたいし。本場であたしのフランス語がどこまで通じるのかも知りたいし。パパは相変わらずの心配性でなかなか許可してくれなかったけど。ママの『何事も経験よ!行ってきなさい!』って一言で決まった。パパはち...
Lesson - The 5th unit - sec.2
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Lesson - The 5th unit - sec.2

部屋のドアを手荒に締め、鍵を掛けた。誰にも会いたくなかったから。幸い、パパとママは仕事で留守だったし、進も友達と遊びに出ていた。突然帰ってきたあたしに、お仕えの人達は吃驚してたけど、かまわない。そのままベッドに潜り、頭まで布団を被った。何も見たくない。何も聞きたくない。何も、考えたく、ない。なのに。瞼の裏に、あの二人の微笑み合う姿が映る。耳の奥で、あの二人が笑う声が聞こえる。美男美女の、お似合いの...
Lesson - The 6th unit - sec.1
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Lesson - The 6th unit - sec.1

仲直りのキスの後も、類はずっとあたしを抱きしめてくれてた。「俺にとって、静は司たちと同じ、ただの幼馴染だよ。 つくしと静じゃ、『好き』の意味が全然違う。 さっきみたいなキスは、つくしとしかしない…したくない。」類の『好き』が伝わってきて、さっきまでの不安がウソみたいに消えていく。思えば、何であんなに不安になったんだろう。類も、静さんも、ごく自然に微笑み合っていただけ。それは、二人にとっては『いつも...
Lesson - The 6th unit - sec.2
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Lesson - The 6th unit - sec.2

翌日。登校するなり遭遇した桜子の視線が痛い。「ずいぶんと『お楽しみ』だったようで…。」「なっ…人聞きの悪い…」「まぁ、虫除けとしては効果絶大でしょうが。 それにしても、あの花沢さんが、ねぇ…。」昨夜、類が帰った後、鏡を見て吃驚した。腕や足なら制服と靴下で隠せるかな…なんて思ってたあたしは甘かった。首回りに残った、いくつもの痕。…夕飯の時、ママがニヤニヤしてたのはこのせいだったんだ。初夏のこの時期にマフラ...
Lesson - The 6th unit - sec.3
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Lesson - The 6th unit - sec.3

花沢の車に乗り込んで、すぐに類に唇を塞がれて。くっついたり、離れたり。軽く触れたり、唇を吸われたり。チュッチュッて啄むみたいなキスだったり、苦しくなるくらい長かったり。ちょっと酸欠っぽくなっちゃって、頭がクラクラしたけど、全然イヤじゃない。花沢のお邸まで10分ちょっとの間、あたしたちはずっとキスをしてた。運転手さん…ごめんね。車を降りて、また手を繋いで。いいお天気だし、って、お庭の散策。この季節は木...
Lesson - The 7th unit - sec.1
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Lesson - The 7th unit - sec.1

類と仲直りしないまま迎えた、夏休み。フランスに行く予定で習い事は全部キャンセルしてたから、何もすることがない。あの日からあたしは花沢のお邸に行くことを止めた。類は何度か会いに来てくれたけど、あたしは会うのを拒否した。冷静になって考えたら、悪いのは全部あたし。類はあたしのためにいろいろ考えてくれてたのに。癇癪を起こして、類を傷付けた。子供扱いされてもしかたない。だって、ほんとに子供だったんだ。こんな...
Lesson - The 7th unit - sec.2
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Lesson - The 7th unit - sec.2

雅子さんに連れられて、リビングのソファへと腰を下ろす。言葉を失ってしまったあたしに、雅子さんは優しく声を掛けてくれた。「大丈夫ですよ。きっとすぐ思い出されますから。」「そう、ですよね…」とは言ってみたものの、あたしは心の中でその言葉を否定していた。類の心があたしを拒否してるんだ。だから、あたしの存在ごと、消しちゃったんだ。類はあたしのことなんて、思い出したくないに決まってる。だからといって、諦めた...
Lesson - The 7th unit - sec.3
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Lesson - The 7th unit - sec.3

夏休みも残り僅かになった頃。「類!生きてっか~?」賑やかな『お客様3人組』が花沢邸を訪れた。ちなみに、類が忘れているのはあたしのことだけで、他の人達のことはちゃんと覚えてた。…まぁ、原因はあたしにあるんだし、それはしかたないことなんだけどね。3人には事情(詳しい理由は説明しなかったけど)を話して、あたしとはあくまでも『使用人』として接するように頼んだ。突然やってきた幼馴染に、類はめんどくさそうに溜...
Lesson - The 7th unit - sec.4
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Lesson - The 7th unit - sec.4

「あらあら…ふふっ…」聞こえたのは雅子さんの声。みんなが帰ったのを見て、茶器を下げに来てくれたみたい。「あ…ごめんなさい!あたしが片付けますから!」「いえいえ。これは私の務めですから。」「けど…っ」「つくし様は類様の奥様になられるんです。 もう、このようなことはなさらなくてよろしいんですよ。」「でも…!」「けど、類様…ようやっとお伝えできたのですね?」「うん。」その言葉に何か違和感を感じて、類を見上げる...
Lesson - The 7th unit - sec.5
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Lesson - The 7th unit - sec.5

類があたしのことを思い出してくれた。途端に気持ちが溢れ出して。胸の内に留まり切れなくなったそれが、溢れるみたいに口を吐く。好き。大好き。…愛してる。何度言っても、言い足りない。もっと、もっと、類を近くに感じたい。もう二度と離れないように。必死で、類にしがみついた。類にキスしてもらって。あたしからもキスをして。ベッドの上で、じゃれ合うみたいにずっとキスをしてる。類に触れられるたびに体中がゾワゾワした...
Lesson - The 7th unit - sec.6
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Lesson - The 7th unit - sec.6

類に、あたしの全部をあげる、って言った。けど、何をしたら全部あげたことになるんだろう?「どうすればいい?結婚する、とか?」「結婚はする、絶対。 けど、それはもうちょっと先の話。 前に言ったの覚えてない? 愛し合うのにもいろいろあるよ、って。」「あー、うん。覚えてるよ。」「俺たち、心は深い部分で繋がってるよね。 誰にも引き離せないほど強く。」「うん。」「それだけでも十分なのかもしれないけど、俺はつく...
Lesson - The 8th unit - sec.1
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Lesson - The 8th unit - sec.1

夏休みも終わり、また忙しない日々が始まる。類の記憶が戻ったことを双方の両親へ報告して、改めて謝罪をした。きっかけは些細なことだったのに、何だか大事になってしまったのが恥ずかしい。けど、やっぱり類のことが好きなのは変わらないし、もっと好きになりたいとも思う。まぁ…まだ、類にあたしの全部はあげられてないんだけどね。類の記憶が戻ってるのを知った、あの日。あたしが作ったお夕食を二人で楽しく食べて、食後のお...
Lesson - The 8th unit - sec.2
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Lesson - The 8th unit - sec.2

翌日。目が覚めたのはお昼前で、みんなでブランチをいただいて解散…のはずだったんだけど。「ねぇ!これからエステ行こう!」「え?でも、あたしこれから…」「あら、いいですわね。 先輩はこの後花沢さんのお邸に行かれるのでしょう? 昨日の話ではまだお済ましになっていないようですし、いつその時が来るともわかりません。 その点においては藤堂様の方が先手を打たれています。 ここはしっかりとお肌を磨いて、心だけではな...
Lesson - The 8th unit - sec.3
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Lesson - The 8th unit - sec.3

突如始まった、追いかけっこ。コンパスの差があるから、あたしはちょこまかと走り回る。子供の頃は類と進と一緒に、こうやって遊んだよね。必死に類の背中を追いかけて、躓いて転んで、泣いて。そんなあたしを、類の優しい手がよしよしって撫でてくれて。なんて。昔のことを思い出してたら。「あっ!」グキッと鈍い音と足首に走った痛みに、体勢が崩れる。そのまま地面に叩きつけられるように転がり、右肩を強かに打った…気がする...
Lesson - The 8th unit - sec.4
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Lesson - The 8th unit - sec.4

自分の家の玄関を類に抱っこされたまま潜る。それがとてつもなく恥ずかしくて、足が痛いとか肩が痛いとか、そんなこと言ってられない。「る、類…もういいから、下ろして?」「何で?痛くて歩けないでしょ?」あたしと類に気付いたお仕えの人が玄関を開けてくれて。奥からパパとママが慌てて出てきた。「あらまぁ…どうしたの?」「あはは…ちょっと転んじゃってね…」「すみません、俺が付いてたのに…」「類君のせいじゃないわ、この...
Lesson - The 8th unit - sec.5
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Lesson - The 8th unit - sec.5

更新が遅くなってすみません。スギ花粉の猛威に頭がボーっとしていて、予約時間を間違えてたみたい。それにさっき気付いて、こんな時間の更新となりました(^▽^;)目は痒いしくしゃみは止まらないし。毎年のことながら、ほんとイヤになる…。☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆あたしの部屋に着き、ようやく人心地をつく。二人で並んで座って、ぴったりとその身を寄せ合った。「ごめんね、類…ママのこと…」「つくしはおじさんとおばさ...
Lesson - The 9th unit - sec.1
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Lesson - The 9th unit - sec.1

ドンドンドンッ!「つくし!類君!ちょっと!」けたたましくドアを叩かれ、ママの焦った声に類と目を合わす。「何かあったのかな?」「何だろうね?」ママの慌てぶりに首を傾げながら、類がドアを開ける。そこには、驚愕と焦りを綯交ぜにしたママがいた。「…どうしたんです?」「類君、大変よ!…藤堂さんが…」「静さん?」その名前に嫌な予感がする。それは類も同じだったみたいで、表情が強張ってる。「とにかく!リビングに来て...
Lesson - The 9th unit - sec.2
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Lesson - The 9th unit - sec.2

『あ、そうそう!千恵ちゃん、ちょっといい?』不意に話しかけられ、ママはスマホを手にして席を立つ。それを横目に見ながら、あたしはテレビに映る静さんを見つめる。綺麗で明るくて頭もいいのに、どうしてこの人は類に固執するんだろう。確かに類はかっこいいけど、特定の人にしか心を開かない。今の類の静さんに対する態度は、特定外の人に向けるものと同じ。そんなことにも気付かないんだろうか。おば様との話を終えたママが戻...
Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ①
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Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ①

その頃、牧野家のリビングでは―。『それにしても、大変なことになったわねぇ…』「ほんとに…藤堂さんのご両親は何を考えてるのかしら?」『それがね…藤堂さんのご両親は静ちゃんの言ったことを鵜呑みにしてるみたいなの。 あちらも、類のことは認めてくださってて、類になら静ちゃんを任せられるって…。 国際弁護士になるって言ってフランスへ行った時も、結局は止められなかったし。 静ちゃんのことを相当甘やかしているんだわ...
Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ②
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Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ②

俺の元に『彼』から連絡が来たのはあの騒動の翌日だった。静が類との婚約を発表する報道を見て、一も二もなく飛んできたらしい。が、静に面会を申し入れても聞いてもらえず、類に会おうにも居場所がわからない。途方に暮れていた時、ふと、以前俺の会社と取引をしたことを思い出した。静から俺たちのことは聞いていたんだろう。類に会わせてほしいと懇願する姿があまりにも必死で、なぜ?と聞くと。『彼に謝りたいんだ! 静があん...
お知らせですよっと
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お知らせですよっと

ども(・ω人)ども突然ですが…3月といえば?そうですっ!我らが愛する『花沢類』の誕生日~♡ということで。fleurs printanières team Ruiによる類誕イベントを開催します♬サイトオープン:3月22日(木) 0:00 ~ 4月8日(日) 23:59お話スタート:3月23日(金) 0:00~コメントはオープンコメントのみ受け付け致しますどうしても秘密でコメントを残したい場合は、各サイト様へ直接コメントをお願い致します。お馴染み!拍手小話もあり...
Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ③
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Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ③

司からの連絡で、再び俺たちは集まった。あれから数日、テレビ報道は少し収まりつつあったが、それでもまだ世間を賑わわせている。類と牧野はどうしているだろう。一緒にいるはずだから、そこまでの心配は必要ないとは思う。てか、二人の絆を深めるため…とか言って、押し倒してたりして?ククッ…あいつらに限って、それはねぇか。司から、静とマイヨール氏の話を聞いた。俺もあきらも、司の読み通りだと思う。なら、静をメープルに...
また、会えたね
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また、会えたね

We are glad to be able to see you again !!...
Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ④
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Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ④

総二郎発案のパーティーの準備が着々と進んでいる。司はパーティーの準備をしつつ、マイヨール氏の会社との業務提携を進めていた。総二郎は静の相手をしながら、これ以上暴走しないように見張っている。そして、俺は類と牧野の担当。牧野にはこの計画を話すつもりはない。ただ、類にはちゃんと知らせておこうというのが3人の総意だ。当日は何が起こるかわからない。静だけじゃなく、類にまでパニクられた日にゃ、目も当てられない...
fleurs printanières 第1話 -星香-
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Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ⑤
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Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ⑤

藤堂さんの報道から数日。その日から先輩はずっと学校をお休みされています。それは当然でしょうね…いくら先輩が能天気だからって、この状況は居た堪れないでしょう。この学校内で、先輩と花沢さんの関係を知らない者はいません。藤堂さんと花沢さんの婚約を当然だと言う人。先輩よりも、藤堂さんの方が花沢さんのお隣に相応しい、と言う人。フラれた先輩を嘲笑う人。…そんな人たちばかりなのです。あの報道を見て、私はすぐに先輩...
fleurs printanières 第2話 -plumeria-
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Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ⑥
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Lesson - The 9th unit - Viewpoint change ⑥

あの日、花沢の邸前で類に手酷く拒絶された時、もう類は私のことなんか愛してないんだと思い知った。それなのに、今、私は類との婚約を嬉しそうに語っている。心と体がバラバラで、誰を愛しているのか、誰と結婚したいのか、わからない。私の心は壊れてしまったみたいね。けど、1つだけわかる…このレンズの向こうの顔は、哀しみに歪んでいる。***フランスに渡って、国際弁護士を目指して大学に通った。あれだけの大見栄を切って来...
fleurs printanières 第3話 -空色-
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Lesson - The 9th unit - sec.3
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Lesson - The 9th unit - sec.3

あの日から、あたしはずっと学校をお休みしている。学校では類は有名人だし、あたしたちのことはみんな知ってるけど、それを快く思ってない人もいる。別に後ろ暗いことはないし、堂々としてればいいって思うけど、そういうわけにもいかないみたい。前に優紀と電話で話した時も、かなり言い難そうに『今は来ない方がいいと思う』って言われた。誰がどう見たって、あたしより静さんの方がお似合いだし、絵になるとは思う。でもあたし...