夢見月~Primavera~

いろいろ妄想中(´▽`*)♪



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プロフィール

聖

Author:聖
夢見るオトナ目指してます
いつまでも恋していたいね

・゚・。+☆+。・゚・。+☆+。

二次小説を書いてます。
【花より男子】
花沢類がスキ♡(*ノ∀ノ)

他にもボルテージ系の女子ゲーネタで書く予定!

原作者様及び出版社様、ゲーム開発者様とは一切関係ありません。

無断転載や複製、配布は許可していません。

 あくまでも『二次小説』であることをご理解の上、ご覧くださいませ"○┐ペコッ


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THAT NIGHT【Cap.28】

懐かしい、二人きりの空間に何だかドキドキが止まらない。
二度と来ることはないと思っていたその部屋は、最後に見たまんまの形で残されていた。
テーブルに置いたままだった空の財布も、何もかも。

さすがに作りかけの夕飯は処分されていた。
冷蔵庫の中身は空っぽだったが、見覚えのあるミネラルウォーターが何本か入っている。

「もしかして、ここに来てた?」

「ん…たまに、ね」

半年以上放置していたわりに埃っぽく感じなかったのは、そのせいか。
おそらく、定期的にハウスキーピングされていたのだろう。
あの日脱ぎ散らかしていった服の類いは全て処分されていたが、それ以外はクローゼットに収まったままだった。

「全部処分するって言ってたよね?」

「うん。でも、できなかった。
 ここにいた5年間の一部でも、俺との記憶があるなら消したくなくてね」

「家賃とかライフラインとか…維持費かかるのに」

「そんなの、気にもしてなかった。
 …ここに来れば、またつくしに会えるような気がして」

その言葉で、彼の寂しさがあたしの胸に刺さる。

「…ごめんね」

俯き、涙を堪えるあたしの頭に、優しい手がポンと触れた。

「謝るなら、俺の方が先だよ」

その柔らかな声音が胸に沁みて、堪えきれなくなった涙がポタポタと床に落ちる。
そんなあたしの手を引くと、いつもそうしていたように、二人並んでソファへと腰を下ろした。


あたしの肩を大きな手が包み、体ごと引き寄せる。
その温もりがくれる安心感に心が凪いでいくのを感じ、あたしはゆっくりと呼吸を繰り返す。
宥めるように髪を撫でる手の温もりに、やっとこの腕の中に戻ってきたのだと実感した。


思い出したくもないであろう、あの日の記憶。
その日の足跡を辿るように、その心の内を明かしてくれる。
遠くを見つめ、時々浮かべる苦笑いが、何だか切なくて目が離せなかった。

「つくしをフった男の呼び名と俺の名前が一緒だって解った時、俺、自分の名前、本気で捨てようと思った。
 俺の名前のせいで、つくしがあいつのこと思い出すのが、ほんっと嫌で。
 だったら、俺は別の名前でいい、って。
 けどさ、時間が経つにつれて、心のどっかで、違うって…。
 つくしは俺が教えた名前を呼んでるだけなのに、何か違う男の名前を呼んでるような気がして、さ。
 だから、俺は決めたんだ…本当の俺の名前を取り戻そうって」

「…それで…あんな?」

「正直、ここまで騒ぎが大きくなるとは思わなかった。
 俺はただ、つくしに俺を本当の名前で呼んで欲しかっただけなのに。
 けど、あの親父のいる会社には戻りたくなかった。
 会社を取り返せば、正々堂々とつくしと向き合える…その一心だった」

「そっか…そうだったんだ」

ふと思い出すのは、時々目にした、笑顔の消えた写真。
あんなに綺麗な笑顔がどこにもなくて、それだけで不安が募った。
けど、今なら解る…あたしがあの笑顔を奪ったんだ。

「あたし、あの日までF4とかそういうの、全然知らなくて。
 速報を一緒に聞いてた同僚がいろいろ教えてくれたんだ。
 画像まで見せてくれて…ほんとにすごい…雲の上の人なんだって知って。
 そしたら急に、いろいろ怖くなって…また、あたし、1人になるのかな、とか…そんな…」

最後の方は涙で言葉にならない。
泣きながら俯いてしまったあたしの手を、優しい温もりが包んだ。

「ねぇ、つくし…」

あたしの足元に跪き、見上げた薄茶色のビー玉の瞳。
それは出会ったあの日よりも、想いを繋いだあの瞬間よりも…最後に別れたあの時よりも、ずっとずっと澄んでいる。

「あの日、つくしに伝えたかったこと、今言ってもいい?」

あたしが小さく頷くのを確認すると、一瞬目を閉じ、その瞳に大きな決意を宿す。

「俺の本当の名前は…『花沢類』。
 花沢物産の取締役社長になった。
 今日までずっと黙ってて、ごめん。
 けど、社長だろうが無職だろうが、つくしを大事に想う気持ちも、失いたくない気持ちも、変わらない。
 こんな俺だけど、これからもずっと傍にいてほしい。
 ずっとずっと、大事にするから…」

ー もう、どこにもいかないで…

真っ直ぐにあたしを見つめる彼の瞳から、一筋の涙が零れる。
その涙がこれまでの彼の寂しさ、苦しさ、辛さ、そのすべてを物語っていた。


その瞬間、あたしは彼の首に縋るように抱き付いた。


「っ…ごめ、ん……る、い…っ」
 
 
彼の耳元で、その名前を呼んだ。
ただそれだけなのに、涙が溢れて、止まらなくて。
ずっと呼びたかった、その名前を。
何度も、何度も、呼んだ。

「この半年…類を想わない日はなかった。
 傍にいるって約束したのに…なのに、あたし…っ…
 類と離れたこと、ずっと、後悔してた…離れないで、ちゃんと向き合えばよかった、って…
 こんなあたしだから…嫌われても、忘れられちゃってもしかたないって、思ってた…けど。
 でも…やっぱり、好き…傍にいたい、の…っ」

「つ、くし…っ」

あたしの体を、痛いくらい力強く抱き締めるこの腕を、どうして抜け出してしまったんだろう。
負けないくらい、強く強く抱き締めてあげなきゃいけなかったのに…。

「類…ごめんね…ほんと、ごめん…っ
 でも、愛してる、の…もう、離れたくない…」

「つくし…もう、どこにも行かないで…ずっと、ずっと…」

涙でぐちゃぐちゃになったあたしの唇に、類のそれが重なる。
その温もりは優しくて、何より愛しくて。
いつまでも離れたくなくて、その存在を確かめるように強く強く抱き締めた。

「つくし、愛してる…」

キスの合間、熱い吐息と共に漏れた切ない声が、あたしの心に響いた。


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THAT NIGHT | 2017/02/14 06:00 | コメント(4)




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| | 2017/02/14 12:29 [編集]


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| | 2017/02/14 23:17 [編集]


3**母様
こんにちは~♪
遅くなりまして、すみませんm(_ _"m)

ほんとに、もうどこにも行かないでほしいですよね(´・ω・`)
類くんがまた泣いちゃう(ノω・、)ウゥ

類にしてみたら、ずっと自分を責めてたとこもあったんでしょうね。
大事だからこそ、素直に謝れるんだと思います。

あともう少し、お付き合いくださいね!
ありがとうございました(*^-^*)
聖 | URL | 2017/02/15 15:06 [編集]


ず*様
こんにちはっ♪
お返事遅くなってごめんなさいm(_ _"m)

この半年、ずっと伝えたかった言葉だったんでしょうね
やっと伝えられてよかったね(*^-^*)
で、つくしちゃんに『類』って呼ばせてあげられてよかった~(´▽`)

次の話、多少糖度を上げてますが、甘さ加減はいかがでしたか?(笑)
よかったらもう少しお付き合いくださいね♪
ありがとうございました(*^-^*)
聖 | URL | 2017/02/15 15:12 [編集]




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