夢見月~Primavera~

いろいろ妄想中(´▽`*)♪



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プロフィール

聖

Author:聖
夢見るオトナ目指してます
いつまでも恋していたいね

・゚・。+☆+。・゚・。+☆+。

二次小説を書いてます。
【花より男子】
花沢類がスキ♡(*ノ∀ノ)

他にもボルテージ系の女子ゲーネタで書く予定!

原作者様及び出版社様、ゲーム開発者様とは一切関係ありません。

無断転載や複製、配布は許可していません。

 あくまでも『二次小説』であることをご理解の上、ご覧くださいませ"○┐ペコッ


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久しぶりに帰ってきた、自分の部屋。
そこは5年前から時間が止まったかのように、静まり返っていた。

一人で寝るには広すぎる、キングサイズのベッドへ倒れ込む。
あまりの静けさに、胸の鼓動が煩く感じる。

ー 父さんが帰ってくるまで…心臓、もつかな…


30歳を過ぎているというのに、まるで思春期の子供のようだ。
同じ屋根の下につくしがいる…そう思うだけで、心が落ち着かない。
父親が帰ってくるのは、早くても半年先。
それまでは自分が彼女の支えになれる。
それが何より嬉しかった。


それから毎日、類はつくしの元へと通った。
どんなに疲れていても、どんなに帰りが遅くなっても。
つくしが待っていると思えば、邸へ帰ることも全然嫌じゃなくなった。
むしろ、1分1秒でも早く帰りたかった。
つくしの顔が見たい、声が聞きたい…ただそれだけだった。


それはつくしにとっても幸せな時間だった。
普段口数の少ない類が、話しかけてくれる。
滅多に笑わない類が、自分にだけ微笑みを向けてくれる。
それがどれだけ特別で、どれだけ幸せなことか、解らないわけはなかった。

社長不在の今、その仕事は多忙を極めているはず。
それでも毎日会いに来てくれる類を、少しでも癒してあげたかった。
類を癒し、自分も癒される。
そんな時間が何より大切で。
どんなに遅い時間になっても、寝ずに類を待っていた。



孝がフランスへ発ってから2ヶ月が過ぎた頃。

花沢の侍医がつくしの診察を終え、にこやかに話す。

「奥様、だいぶ体調はよろしいようですね」

「ええ。もう大丈夫そうです。
 先生にはご面倒をかけて、すみませんでした」

「いえいえ、お元気になられたのなら安心いたしました。
 そのご様子であれば、フランスへ行かれても問題ないでしょう」

「…え?」

「旦那様も、奥様のお元気な姿をご覧になりたいでしょうから。
 今からでも行って差し上げたらいかがですか?」

侍医の言葉に他意はない。
現に、孝からも似たようなことを言われていた。

『体調が落ち着いたらこっちに来てくれないか?
 つくしの元気な姿を見ないと、何だか落ち着かなくてね』

フランスで働く夫の元へ行き、それを支える。
それが妻である自分の務めなのだとはわかっている。
侍医からの許可も下り、喜ばなければいけないのに。

「そ、うですね…孝さんと相談してみます」

無意識のうちに、その声から感情が消える。
冷たく響いた声に、その場にいた誰もが言葉を失っていた。




いつから自分はこんなに冷たい人間になったのだろう。
誰よりも妻である自分を愛し大切に想ってくれる、優しい夫を愛せないなんて。
心の中に類がいるから?
そうかもしれないが、それだけじゃない気もする。


泣くことも、笑うこともできない。
感情の波を、どうやって処理していいのかさえわからなくなっていた。

「…人形、みたい」

いっそ何の感情も湧かなければいい。
そうすれば、何も考えずにあの人の隣に立っていられる。
…『笑顔』の仮面を貼り付けて。



静まり返る部屋に、控えめなノックの音が響く。
主の返事を待たずに開かれた扉から入ってきたその男は、部屋の暗さに目を凝らした。

「寝てるの?」

僅かな月明りに人影を見つけ、そっと呼びかける。

「…おかえり。起きてるよ」

少し掠れたような、弱々しい声。
ソファに身を預け、天を仰いだまま身動ぎもしない。
その様は類をも拒絶しているように見えた。

「取引先からいい酒もらったけど、あんたも少しどう?」

「……じゃあ、少しだけ」

つくしの返事に、少しだけ安堵する。
完全に拒絶されていない…それだけで十分だった。

いつものように、棚からグラスを2つ取り、氷を多めに入れる。
あまりアルコールに強くないつくしにはシングルよりも少なめの量の酒を注ぐ。

「はい…これ、けっこう強いから、氷を溶かしながら飲みなよ」

「…ありがと」

カラン、と氷の涼やかな音が響かせながら、つくしはその香りを味わっている。

「…いい香り。これだけでも十分酔えそう」

「無理に飲まなくていいから。
 でも、少しでも飲めば、寝られるだろ?」

その言葉に返事はない。
ただ、グラスの氷をクルクルと指で弄ぶ。
そんなつくしを見つめながら、類はグラスを傾けた。


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


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Tranquilizer | 2017/03/27 06:00 | コメント(2)




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| | 2017/03/27 10:08 [編集]


ず*様
こんばんは~☆彡

ジリジリさせちゃってごめんなさい(笑)
徐々に糖度上げていくので、もう少しお待ちくださいね(*^-^*)

お酒の力で押し倒しちゃダメですよ!(笑)
類は王子様なんだから!( *´艸`)
類パパの優しさと類の愛、どっちが勝つのかな?
せつないけど、甘い…そんな話になるといいな♪

続きも楽しみにしていただけると嬉しいです!
ありがとうございました(´▽`*)♪
聖 | URL | 2017/03/27 20:35 [編集]




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