夢見月~Primavera~

いろいろ妄想中(´▽`*)♪



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プロフィール

聖

Author:聖
夢見るオトナ目指してます
いつまでも恋していたいね

・゚・。+☆+。・゚・。+☆+。

二次小説を書いてます。
【花より男子】
花沢類がスキ♡(*ノ∀ノ)

他にもボルテージ系の女子ゲーネタで書く予定!

原作者様及び出版社様、ゲーム開発者様とは一切関係ありません。

無断転載や複製、配布は許可していません。

 あくまでも『二次小説』であることをご理解の上、ご覧くださいませ"○┐ペコッ


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Tranquilizer 20

クリスが初めてつくしの邸を訪問してから半年が過ぎた。
半年という時間が長いのか、短いのかわからない。
会えない二人にとっては長い時間で。
状況を進捗させるには短い時間。

何度も裁判所へ赴き、解決の糸口を探した。
過去の判例に目を通し、法曹界の先輩たちにも意見を求めた。

が、現状は何も変わらなかった。



クリスは月に一度、つくしの元を訪れる。
最初の面会の前、アリーシャから渡されたメモにはつくしの住まう場所が記されていた。
そして、そのメモと一緒に受け取ったのは、本人たちの知らない事実。


『彼らは、お互いがフランスにいることを知らない。
 ルイは、ツクシは日本にいると思っているし、ツクシも、ルイは日本で必死にがんばっていると思ってる。
 このことを秘密にすると決めたのはルイの父親であり、ツクシの元夫であるタカシ・ハナザワよ。
 彼も二人の行く末を案じていて、日本で解決策を模索してるわ。
 必要があれば、どんな協力も惜しまないとまで言ってるの。
 だから、お願い…このことは絶対にバレないようにしてね』


類に聞こえないよう、細心の注意を払いながら声を潜めるアリーシャに、クリスは無言で小さく頷いた。



つくしの元を訪れるのはこれで6回目。
もうメモを見なくても、その邸までの道のりも覚えている。
小高い丘に建つ、石造りの小さな邸。
緑に囲まれ、遠くには地中海も望める。
そこで、彼女は数人の使用人とともに暮らしていた。



邸の前でタクシーを降りたクリスに、初老の男性が声を掛けた。

『おや、クリス。
 今日は約束の日だったかね?』

クリスを出迎えたのは、邸の管理を任されているジェラルドだった。

『ああ。ツクシはいるかい?』

『いることはいるんだがね…体調が思わしくないみたいだ。
 今日は仕事を休むと言ったきり、部屋から出てこないんだよ』

『医者には診てもらったのか?』

『言ってはみたんだがね。
 眠っているのか、返事がないんだよ』

『食事は?』

その問いかけにジェラルドは小さく首を横に振り、困ったようにつくしの部屋の窓を見遣る。

『ありがとう…とりあえず行ってみるよ』

クリスは軽く手を上げ、邸へと足を向けた。



つくしの部屋の扉を何度もノックするが、やはり何の返答もない。
眠っているのか、それとも返事ができないほど体調が悪いのか。
些か不安を感じ、クリスはそっとその扉を開けた。


『ツクシ?』

声を掛けながら、ゆっくりと部屋に入る。
もし安らかに眠っているのならそれでいい…面会は日を改めればいいだけのことだ。
とりあえずつくしの無事を確認しようと、その姿を探した。


部屋から続くバルコニーにその姿を見つけ、クリスは安堵の息を漏らした。

『ツクシ…ここにいたのか』

『え?…あぁ、クリス。
 そっか…今日は約束の日だったわね』

力なく微笑むその顔は青白く、幾分やつれたようにも見えた。

『体調が優れないそうだね?
 大丈夫?医者に診てもらった方がいいんじゃない?』

つくしを労わるように優しく語りかけるクリスに、つくしは小さく息を吐く。

『大丈夫…原因はわかってるから。
 今日はちょっと…いつもより症状が辛いだけ』

『でも…』

『それより…何か進展はあった?』

クリスの言葉を遮るように、つくしの声が響く。
報告することもないのに、面会に来る意味があるのか?と、暗に言われているような気がしてならない。

『いや、まだ何も…。
 ツクシは私がこうやって会いに来るのは迷惑かい?』

『そんなこと、ないわ。
 却って申し訳ないくらいよ。
 こんな面倒に巻き込んでしまって、ごめんなさいね…』

時々辛そうに顔を顰めるつくしに、クリスの表情も曇る。
原因はわかっている…そう言ったきり、それ以上のことを話すのを拒んでいるようにも見えた。


椅子の背もたれに身を預け、顔を顰めながらお腹を擦る姿に、最初はただ吐き気を紛らわしているのだと思っていた。
けれど、それが違う意図を含んでいると気付いたのは、辛そうな中に僅かに幸せそうな笑みが見えたからかもしれない。

『ねぇ、つくし…君、もしかして…』

思い当たる『原因』を口にするのは憚れる。
だが、それが事実なのか、きちんと確認しておかなければならない。

つくしのためにも、類のためにも。
そして、つくしのお腹に芽生えたかもしれない、小さな命のためにも。


その表情の僅かな変化も見逃すまいと、瞬きも忘れてつくしを見つめた。
どれくらいそうしていたのかもわからない。
ただ、じっとつくしを見つめ、その答えを待った。

『クリス…そんなに見ないでよ。
 何か、責められてるみたいで…』

『責めてなんて…ただ、事実が知りたいだけだ』

『ふふっ…そうね。
 あなたはそんな人じゃないってわかってる』

『なら…』

つくしは諦めたように大きく溜息を吐くと、その首を縦に振った。

『クリスの予想通りよ。
 けど、今は何も言えない。
 もうすぐ判るの…だから、それまで待ってちょうだい』

これ以上話すことはないとばかりに、つくしは目を閉じる。
その意思を慮り、クリスは小さく微笑んだ。

『おめでとう…と言っていいのか、わからないけど。
 でも、神は絶対にあなたを見放したりはしない。
 どうか、希望を捨てずに待っていてほしい。
 必ず、いい結果を持ってくるからね』

クリスの骨ばった大きな手がつくしの髪を撫で、その温もりに不思議な安心感を覚えた。
遠ざかっていく靴音が、幸せな未来を運んでくれると信じて…。


つくしの頬を一筋の涙が伝う。
それがつくしの不安の表れであると、誰も知らない。


「お願い…類の子であって…」


お腹に触れる膨らみに語りかけるのは、そうであってほしいという心からの願い。
つくしの小さな呟きを運ぶように、暖かい風がその頬を撫でた。


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Tranquilizer | 2017/04/16 06:00 | コメント(0)






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