夢見月~Primavera~

いろいろ妄想中(´▽`*)♪



Calender

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プロフィール

聖

Author:聖
夢見るオトナ目指してます
いつまでも恋していたいね

・゚・。+☆+。・゚・。+☆+。

二次小説を書いてます。
【花より男子】
花沢類がスキ♡(*ノ∀ノ)

他にもボルテージ系の女子ゲーネタで書く予定!

原作者様及び出版社様、ゲーム開発者様とは一切関係ありません。

無断転載や複製、配布は許可していません。

 あくまでも『二次小説』であることをご理解の上、ご覧くださいませ"○┐ペコッ


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Tranquilizer 33

ジェラルドからの電話に、宮野は表情を強張らせる。
その報告では、今日、つくしは定期検診に出掛けたという。
世話役の女性とSP二人を同伴させたし、非常用の発信機も携帯させた。
緊急事態が起こればその発信機からジェラルドの元へ連絡が来るはずなのに、そのボタンが押された気配はない。

何かがおかしい。

つくしとて、元社長夫人だ。
外出する際に注意すべきことは心得ているはず。
それに、アンティーブへと送ったSPは社長の警護を担当していた経験もある。
そんな彼らが、そう易々とつくしを渡すはずはない。
しかし、ジェラルドの元を訪れた男はつくしの身柄はジダンが預かったと言っていた。

― どういうことだ?
  本当に連れ去られてしまったのか?

それよりも、つくしは大丈夫だろうか。
いくら運動神経がいいとはいえ、身重な体では思うようには動けないだろう。
それに相手はあの男だ…類を手に入れるためなら、何をするかわからない。
それこそ…と、最悪な事態が頭を過り、宮野は大きく頭を振った。

『何が起こったのかはわからないが、とにかく私は一旦社に戻って社長に報告する。
 もし何かあればまた連絡を』
『了解。こっちもつくし様の行方を捜してみる』

宮野は携帯をポケットにしまうと、持っていたビジネスバッグをしっかりと握りしめた。

― どうしてっ…やっとここまで来たのに!

急ぎ足で近場のタクシー乗り場へと向かい、空車のタクシーを拾う。
運転手へ行先と急いでもらうように頼むと、厳しい表情を崩さないまま、シートに背を預けた。


そんな宮野に、運転手は暢気な口調で話しかける。
『何だい?今にも死にそうな顔して。せっかくの美男子が台無しだぜ?』
「……」
『あんた、日本人だろ?いかにもビジネスマンって感じだな。
 けど、そんな顔してちゃ、上手くいくものも上手くいかないぜ?』
『…余計なお世話だ』
ぶっきらぼうな口調で返す宮野に、運転手はバックミラー越しに一瞬だけ視線を移す。
その余裕のない表情に何を勘違いしたのか、目的地である花沢についての噂話を始めた。
『もし、あの会社との取引が上手くいってないんならチャンスだぜ?
 あそこ、そのうちジダンに乗っ取られるらしいからな。
 今の社長はジダンの息の掛かった男で、前社長の女房を寝取って追い出したって話だ。
 だから悪いことは言わねぇから、次の…』
『失礼。ここで停めてくれ』
宮野の怒気を含んだ声が低く響く。
運転手は驚いた様子で車を急停止させると、後部座席の宮野を振り返った。
『あんた、頭いいな。さっきの話で行くの止めるなんて。
 ビジネスは決断力の勝負だ、無駄な時間は…』
『ここで貴方と話をしている時間の方が無駄だと判断しただけだ。
 それに、そんなくだらない噂話など、聞きたくもない』
忌々し気にメーターの料金を確認し、数枚の紙幣を置くとドアを開けた。
『え?ちょっ…お釣り…』
『釣りはいらない。その代わり、さっきのような噂話は二度とするな。
 うちの社長を見縊らない方がいい…貴方の仲間にもそう伝えてくれ』
バンッと荒々しくドアを閉めると、宮野は速足でオフィス街へと向かって歩き始めた。
呆気に取られた運転手はその後ろ姿を見送りながら、ポツリと独り言ちる。
『あんな噂話、誰も信じちゃいねぇんだけどな。
 けど、あの様子じゃ、強ち嘘でもないのかねぇ…』
置かれた紙幣に手を伸ばし釣り銭を自分のポケットにしまう。
存外に多かったチップで、今日はいい酒が飲めそうだ。
屋根の上のランプを空車のものに切り替え、車は静かにその場を走り去った。


タクシーを降りた場所から会社まで大した距離がなかったため、宮野はそのまま徒歩で会社へと向かった。
その途中で、類と既に日本に帰国している孝へと連絡を入れた。
が、類は居眠りをしているのか、電話に出ない。
「まったく…暢気なもんだ」
しかたなく、孝へこれまでの状況を報告する。
つくしの行方がわからないことに対して、孝は『そうか…』と小さく呟いた。
「現地でジェラルド達が探していますが、まだ連絡はありません。
 これから類様と現地へ向かおうとは思いますが…」
『ああ、そうしてくれ。それで、もし見つかったらそのままパリに連れていきなさい。
 必要があれば警察の手を借りてもかまわない…その判断は類に任せる。
 とにかく早急に見つけるんだ』
「承知しました。また連絡します」
電話を切るなり、宮野は走り出した。
早く戻って、類を叩き起こしてアンティーブに行かないと。
己の運動不足を呪いながらも、必死の思いで会社までの道を走った。



バンッ!
「社長!居眠りしてる場合じゃ…!」
ノックもせずに開け放たれた扉に、驚いたのは類だった。
「あ、帰ってきちゃった…ごめん、つくし、また掛けるね」
焦る宮野を余所に、類は優雅な笑みを浮かべる。
「わかってるよ…うん、ちゃんと仕事するから」
その様子に、宮野は茫然と立ち尽くしていた。
「社長…その電話は…」
「ん?つくしだよ。宮野がなかなか帰ってこないからさ」
「つくし、様…は、ご無事なんですね?」
「ご無事も何も、今までずっと話してたけど?何かあったの?」
宮野の徒ならぬ雰囲気に、類は顔を顰める。
「ジェラルドから連絡があって、つくし様がジダンの家の者に連れ去られた、と。
 ところで、つくし様は今どちらに?」
「え?今、検診の順番待ちだって…そうだよね?つくし」
類は通話をスピーカーに切り替え、宮野にもその無事な声を聞かせた。
『うん。何か診察室でトラブルがあったみたいで、ちょっと待たされてるけど。
 特別室みたいな所に案内されて、ここで待っててって』
「警備の者は?」
『部屋の外でSPさんが立ってる。隣には付き添いのエレンもいるよ』
「そう、ですか…はぁ…よかった…」
安心したのか、宮野はその場に座り込み、首を垂れた。


「けど、どうしてそんなことになってるんだろう?」
「わかりません。ただ、ジェラルドの元にジダンの家の者と名乗る男が来て、つくし様を連れて行くと。
 その後、『女の身柄はこちらで預かった』と言って、去っていったそうです」
ジダンの男はつくしを連れていったと言うが、実際のつくしはまだ病院にいる。
整合しない状況に、頭を捻っていると。
『あ…もしかして…』
何かを思い出したつくしが隣の女に話しかけた。
『あたしたちがここに来た時、話したの覚えてる?…似てる人がいるね、って』
真っ直ぐなセミロングの黒髪。
色白で瞳の大きなアジア系の女性。
妊娠週数も近いのか、大きく張り出したお腹。
背丈はつくしより少し低かったが、座っていれば然程の差はない。
「もしかして、間違われた?」
『かもしれない…ちょっと確認…』
「「ダメ(です)っ!」」
キレイに揃った低音に、つくしは動きを止めた。
「こちらから確認を取りますから、つくし様はそのまま動かないでください」
「そうだよ、もしかして間違いに気付いたヤツらがその辺にいるかもしれないのに」
『あー、そっか…うん、わかった』
キシッと椅子の音が聞こえ、つくしが座り直したことを確認する。
「それよりも、類様…お出掛けになる準備を」
「うん。すぐにでも出られるよ。どうせ国内の移動なんだし、特に何もいらないでしょ」
「そうですね。つくし様、すぐにお迎えに伺いますから、そのままそこでお待ちください」
付き添いのエレンにも同じように釘を刺し、スピーカー通話を切る。

「すぐ行くから。ちゃんといい子にして待ってて」
『うん…気を付けてね』

逸る気持ちを胸に、類と宮野は屋上のヘリポートへと向かう。
着陸するのはつくしのいる病院のヘリポート。
私用での離着陸が許されるわけはないが、そこは花沢の名で圧し通した。
「帰りは車?」
「ですね。さすがにヘリではお腹の子供に障りそうですし」
「じゃ、宮野は別の車に乗ってよね」
「…同乗しろと言われても断るつもりでしたよ」
「察しのいい秘書を持つって楽でいいね」
決して乗り心地がいいとはいえないが、1分1秒の猶予もない。
軽口を叩きながらも、無事な姿を見るまでは…と、再び表情を引き締めた。


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Tranquilizer | 2017/08/26 06:00 | コメント(0)






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