夢見月~Primavera~

いろいろ妄想中(´▽`*)♪



Calender

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プロフィール

聖

Author:聖
夢見るオトナ目指してます
いつまでも恋していたいね

・゚・。+☆+。・゚・。+☆+。

二次小説を書いてます。
【花より男子】
花沢類がスキ♡(*ノ∀ノ)

他にもボルテージ系の女子ゲーネタで書く予定!

原作者様及び出版社様、ゲーム開発者様とは一切関係ありません。

無断転載や複製、配布は許可していません。

 あくまでも『二次小説』であることをご理解の上、ご覧くださいませ"○┐ペコッ


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Tranquilizer 34

病院の屋上に降り立った類と宮野は、急いでつくしの元へと向かった。
その途中で、やはり病院へ来ていたジェラルドと合流し、状況報告を受ける。
『ジダンの手下が身柄を拘束したのはつくし様によく似た、アジア系の女性だったそうです。
 職員の話では、診察待ちをしていた女性の元に突然黒服の男が現れて、そのまま連れて行ったと。』
『で、つくしは何処に?』
『産科病棟の個室に。部屋は施錠し、ドアの前でSPが見張りに立っています。
 ただ、私が到着した後、外来の待合付近に数人の黒服の男がウロついていました。
 人違いに気付いて、戻ってきたのかもしれません』
周囲に警戒しながら、ジェラルドの案内で産科病棟へと向かう。
つくしの無事は電話で確認していたが、それでも安心できないのか、類の表情は硬い。

早く抱きしめて、安心させてやりたい。
この腕に閉じ込めて、誰にも触れさせたりするもんか。

逸る気持ちが歩調を早め、やや小走りになりながらつくしの待つ部屋へと向かった。


病棟入り口の自動ドアをすり抜け、一番奥の個室へと向かう類たちに、看護師が声を掛けた。
『どちらにご面会ですか?』
『ツクシ・ハナザワを迎えに来た。いるんでしょ?通してよ』
類の言葉に、看護師は明らかに怪訝そうな視線を向けた。
『…どういったご関係ですか?』
『俺、彼女の夫だけど』
『え?でも、さっきご主人だって人が…』
看護師の言葉に、類の表情が一層強張る。
自分ではない誰かが、つくしの夫を名乗るなんて許さない。
制止する看護師を振り切るように、奥の個室へと再び歩き出す。
『ちょっと!…誰か、警備の人を…』
大声で周囲へ助けを求める看護師に、宮野はそっと声を掛けた。
『申し訳ありません。私は彼の秘書の宮野と申します。
 先に来た方がどなたかわかりませんが、彼はルイ・ハナザワ…ツクシ・ハナザワの婚約者です。
 お騒がせしたことは謝罪いたしますが、ここはこちらにお任せいただけませんか?
 事を荒立てて彼女の所在が明らかになってしまったら他の方にもご迷惑をかけることになってしまいますので』
礼儀正しい宮野の姿勢に、看護師は少し不服そうに類の背中を見遣った。
『…わかりました。お入りください』
『どうも。』
宮野とジェラルドは小さく一礼し、類の後を追った。
『あんなイケメンな旦那だなんて…ズルい…』
感嘆と羨望、嫉妬の入り混じった呟きを残し、看護師は業務へと戻るべく、踵を返した。



幾つかの個室が並ぶ廊下の先に、厳つい風体の男が二人、部屋の入り口を塞ぐように立っている。
そこにつくしがいると確信した類は更に歩調を速める、が。

『遅いよ…だから、手を打つなら早く、って言ったのに』

ふらりと壁から身を起こした男がポツリと呟く。
それは数時間前、パリで別れたはずのアベルだった。
『あんた…』
その声に驚いた類は足を止めると、ガラリと変わった雰囲気に眉を寄せる。
それもそのはずで、先程はきっちりとスーツを着込んでいたのに今はポロシャツにチノパンという、富豪の側近とは到底思えないいで立ちでプライドの欠片も感じさせない。
しかし、アベルがここにいるということは、つくしの居場所はジダン側にもわかっているということだ。
『…何しに来たの?』
警戒心を強める類に、アベルはクックッと不敵な笑みを浮かべる。
『言ったろ?俺にはどうでもいいことだって。
 まぁ、あんたを捕まえられなかった時点でじーさんには見限られたし、本当に俺には無関係な話になったわけだけど…』
『…そんなことで?』
類と同じことを思った宮野は、訝し気にアベルを見つめた。
資料によれば、アベルはジャンの数少ない腹心だったはずだ。
それがまだ結果も出ていない事案で首を切るとは到底思えない。
その腹の底を探るように見つめる視線に、アベルはフッと自嘲を見せた。
『あの人はそういう人だよ。自分の思うように働かない人間はさっさと切り捨てる。
 …たとえそれが実の両親だろうと、ね』
その言葉に、宮野はハッとした。
ジャンの両親、つまり、ジダンの先代は不慮の事故で亡くなったと聞いている。
『まさか…』
宮野の察しの良さに、アベルは自嘲を深くする。
さも、それが正解だと言わんばかりに。
『あの人の近くに居たヤツらはその怖さを知ってるから、あの人には歯向かえない。
 あの人が白だと言ったら白だし、死ねと言われたら死ぬしか道はないんだ』
『え…じゃあ…』
『あんたらと会うのはこれが最後になるかな。
 ジダンの無様な最期を見られなかったのは残念だけど、これが俺の運命だったんだと思って諦めたよ』
『……』
アベルの覚悟に、三人は言葉を失う。
が、アベルはそんな類に、慈しみを込めた視線を向けた。
『お前はお前の幸せを掴めよ。
 エレーヌがそう願ったように、俺もそれを願う。
 これが俺の…お前の伯父としての最初で最後の言葉だ』
そう言い残し、アベルは出口へと向かって歩き出した。


一瞬言葉を失くした類はチラッとその背を見遣ると、つくしの待つ部屋へと向かう。
「類様…」
「つくしが待ってるから。宮野はあの人を連れ戻して」
「…承知しました」
類の背に小さく一礼しアベルを追おうとした宮野をジェラルドが軽く手で制した。
『私が行きます。ミヤノさんはルイ様に付いて行ってください』
宮野の返事を待たず、ジェラルドは小走りになりながらアベルの後ろを追った。
その頼もしい背に、必ず連れ戻せると確信した宮野は類とともにつくしの元へと向かった。
「大丈夫なの?あの人」
「大丈夫ですよ。彼は若い頃、先代の秘書をしていた男ですから」
「ふーん…なら、いいけど」
類の到着に、SPの一人が合図のノックをして部屋の鍵を開ける。
カチャと鍵の開く音の後、カタンと内鍵の開く音が聞こえた。
「…暫く入ってこないでよね」
スッと軽く開いたドアに類が吸い込まれるように入っていく。
「…5分だけですよ?それ以上は…」
宮野の呆れたような声に、類は軽く手を挙げると静かにドアが閉まった。
入れ違いで世話役のエレンが部屋から出てくると、再びカタンと内鍵が閉まる。
「…内鍵閉めたら、こっちから入れないじゃないですか」
宮野の盛大な溜息に、二人のSPとエレンは苦笑を漏らす。
言葉はわからなくても、その表情から何かを察したらしい。
『ツクシ様もかなり心細い思いをされてましたから、少しは大目に見てあげてください』
エレンの言葉にも宮野は納得しかねるのか、チラリと手元の時計を見遣る。
『しかたない…この間に脱出方法でも考えようか』
宮野がSP達に目を向けると二人は小さく頷き、密かな作戦会議が始まった。




類が部屋に入ると、そこには世話役のエレンが待機していた。
『つくしは?』
ドアとベッドの間には間仕切りのカーテンが引かれていて、足元にはスリッパが揃えられている。
『少しお疲れのご様子で、お休みになられています』
『そう。ありがと。少し下がっててくれる?』
類の言葉にエレンは軽く会釈をすると、部屋から出て行った。
ドアが閉まるのと同時に内鍵を掛け、カーテンをそっと開けてつくしの元へと歩み寄った。
「つくし…」
優しく声を掛けるが、つくしはスゥスゥと寝息を立てていて、起きる気配はない。
この前話した時、夜中にお腹を蹴られて目が覚めることがあると言っていた。
そのせいで昼間も眠くなることがあるらしい。
「つくし…なかなか迎えに来れなくてごめんね」
少し伸びた黒髪を撫で、そっと頬に触れる。
数ヶ月ぶりに触れるその肌は柔らかく、ほんのりと温かい。
その感触を確かめるように、ゆっくりと優しく撫でていると、突然つくしが小さく呻いた。
「つくし?大丈夫?」
「んっ…あ、類…?」
「うん、大丈夫?どっか痛い?」
ぼんやりとした視線が焦点を結び、その瞳が類を見つめる。
「大、丈夫…ちょっとお腹蹴られて、ビックリしただけ…」
大きな瞳にうっすらと涙の膜が張り、瞬きと同時に零れ落ちる。
それを類の細い指が掬うように撫で、大きな掌が頬を包んだ。
「しばらく会わないうちに泣き虫になった?」
「そ、んなに泣いてない、もん…」
「そう?後でエレンに聞いてみようか?」
「もうっ!…意地悪ね」
スーッと吸い寄せられるように類の顔が近付く。
その気配に、つくしは口元を緩め、嬉しそうに微笑んだ。
「…会いたかった」
「うん、あたしも会いたかった」
コツンと額を合わせ、微笑みを交わし、そっと唇を重ねる。
ようやく触れ合えた歓びに、きつく抱き合い、何度も何度もキスを交わした。


「お腹、ずいぶん大きくなったね」
「うん。でもこれでも小さい方だって。
 生まれるまでのあと1ヶ月で、もっと大きくなるって言ってた」
「そっか…ごめんね、傍にいてやれなくて。
 でも、今日からはずっと一緒にいられるから」
「えっ?ほんとに?」
類の言葉につくしは驚き、目を見開く。
「うん。結婚も、もうちょっとでできるよ。
 だからこの後、一緒にパリに行こう。
 ちょっと時間かかるけど、大丈夫?」
「うんっ!…今日からパパと一緒にいられるって…よかったね」
大きく張り出したお腹を擦りながら、つくしが子供に語りかける。
「俺も触っていい?」
「うん、触ってあげて…ほら、パパだよ」
恐る恐る触れる類の手に自分の手を重ね、お互いの存在を確認し合う。
ポコンと触れた衝撃に類が驚くと、つくしは嬉しそうに笑った。
「お腹の子もよろしくね、って言ってるんだよ」
「そっか…こっちこそ、よろしくね」
クスクスと微笑み合い、再び唇を寄せる…と。


コンコン。
『そろそろ時間が…』


無粋な邪魔に類は大きく溜息を吐く。
そんな類を面白そうに笑い、つくしはチュッとキスをすると。
「これからはいつだってできるよ」
そう囁いた。


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Tranquilizer | 2017/09/10 06:00 | コメント(0)






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