2018.02/07(Wed)

My Destiny ~やっと完結!~


『My Destiny』はこれにて完結です!
たった6話書くのに1ヶ月かかった…(*´-д-)フゥ-3
まぁ、とにかく無事終わってなによりです。

Rじゃないけど、微妙な表現があります。
苦手な方はサラッとスルーしちゃってくださいね!


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


類とつくしが出会って、二度目のスーパームーンを迎える。
もう、その身に変化が起こらないことはわかっているのに、その瞬間は未だ不安が付き纏う。
今回は特に、つくしと二人きりだから。
もし何かあったら、つくしを傷付けることになる。
類は何よりそのことを危惧していた。

しかし、当のつくしは平然と笑う。
写真でしか見たことのない、その姿。
神々しいほどに美しく、口元から覗く鋭い牙に獰猛さは感じるが、不思議と恐怖はない。
それはおそらく、類だと判っているから、だろう。
『どんな姿の類でも、あたしは好きだよ』
何度も言い聞かせるように、つくしは囁いた。


双方の実家へ年始の挨拶を済ませ、自宅へと帰り着き一息吐く。
例年であれば新年を祝う席に招かれたり、親戚や取引先の年始参りに駆り出されたりしてる類も、今年ばかりはその役目を免れた。
「こんなにゆっくり正月を過ごすなんて、初めてかも。」
「ふふ…今回だけはお月様に感謝だね。」
「父さんたちはつくしのこと、あちこちに紹介したかったみたいだけどね。」
「そんなの、急ぐことないよ。」
コツンと類の肩口に頭を乗せ、見るともなしに窓の外を見上げる。
月の最接近にはまだ時間がある。
なのに、類の表情がいつもより硬い。
「ねぇ、つくし…。」
「ん?なぁに?」
「何度も言うようだけど、ヤバそうならすぐに逃げて。」
その身に何か異変を感じているのか、その声が僅かに震えている。
「どうしたの?もう大丈夫だっ、て…」
覗き込んだ類の瞳に、つくしはハッとする。
いつもの綺麗な薄茶色が翳りを見せ、鈍い光を浮かべている。
「る、い?…類っ?」
「ごめ…つ、くし…きょ、は実家に…。」
苦し気に歪んだ口元を押さえ、やっとの思いで声を絞り出す。
きつく閉じた瞼。
眉間に寄せた皺。
苦痛に耐えるように奥歯を噛みしめ、その身が震えだす。
「類…もしかして…?」
「わ、かんない…けど、今はとにかく、離れて…っ!」


どうして?
どうして…どうして…?

終わったはずなのに。
もうあの苦しみから解放されたはずなのに。
まだ、類を苦しめるの?


その時、ふと孝に言われた言葉を思い出す。
『君たちが結ばれたことで、類に起こる現象は落ち着くかもしれない。
 けれど、おそらくそれだけでは不完全だ。
 この血を継ぐ者の存在…それが絶対的なトリガーだと言われている。』

この血を継ぐ者…すなわち、子供を儲けること。
そうしなければ、類をこの苦しみから完全に救うことはできない。
これまで何度も体を繋げてきた。
しかし、避妊をしなかったのは最初の1回だけだった。
そのトリガーを知っても尚、類は避妊し続けた。
自分のエゴの為に子供を作るのは嫌だ、と言って。

去年はシャイムーンイヤーだったから、わからなかった。
まだ、終わっていなかったことを。

そして、今。
目の前で類が苦しんでいる。
苦痛に身を震わせ、それでもつくしを守ろうと必死に言葉を吐き出す。

逃げて。
離れて。
早く…早く…。

そんな類に、何がしてやれるだろうか。


心の動揺を落ち着かせるように、瞑目し大きく息を吐く。

―大丈夫…大丈夫。
 類のことは、あたしが守る。
 ううん、あたしにしか、守れないんだから…。

ゆっくりと目を開き、目の前の愛しい人を抱きしめる。
今のつくしを占めるのは不安や恐怖ではなく、純粋な愛情。
そして、ただただ類を守りたい気持ち。
触れた身体に変化はまだ感じられない。
姿を変えられないことで、その苦痛が普段の何倍にも増幅しているのかもしれない。
「つく、し…頼む、から…離れて…」
辛そうに吐き出した声を宥めるように、その唇を柔かに塞ぐ。
「離れないよ、ずっとここにいる。」
「っ…んで!」
類が言葉を発するごとに、つくしの柔かな唇が類に触れた。
「類のこと、愛してるから。
 もし類の理性が壊されて、あたしを傷付けたとしても。
 もしこの場で、類に食い殺されたとしても。
 あたしはここに留まったことを後悔したり、類を恨んだりはしない。
 だって、類はあたしの運命の人なんだよ?
 だから、あたしはずっとここにいる。」
抱きしめながら、触れられるところすべてに口付ける。
心からの笑みを浮かべ、愛の言葉を囁きながら。


今にも焼き切れそうな理性を必死に繋ぐ。
つくしを傷付けることだけはしたくない。
離れて、と何度も何度も頼んだ。
なのに、つくしは首を縦に振るどころか、更に身を寄せてくる。

好き。
大好き。
愛してる。
ずっと類と一緒にいるよ。

つくしの紡ぐ愛の言葉が身体を満たし、心の奥底まで染み込んでくる。
身体は確かに辛くて、苦しくて、どうしようもないのに。
つくしの声が、感触が、温もりが、その苦痛を和らげてくれるようにも感じる。

―ああ…俺にとっても、つくしは運命の人なんだな。

震える手でつくしを抱き寄せる、と。
「ふふ…もっとギュッてして?」
もっと、と強請られ、その腕に力を込める。
「苦し、よね…ごめん。
 けど、うまく加減できな…。」
「いいよ、大丈夫。思いっきり抱きしめて。
 類の辛さや苦しさを、あたしにも分けて?」
傷付けたくないのに、離してやることもできない。
力の限りに抱きしめたら、この華奢な身体が折れてしまうかもしれない。
「大丈夫だよ、こう見えて、あたしけっこう頑丈だから。」
クスクスと笑うつくしの吐息が胸元を擽る。
堪らず首筋に唇を寄せると、つくしが『ん…』と甘さを含んだ声を漏らした。

苦しみの中に感じた、僅かな愉悦。

それが堪らなく嬉しくて、何度も首筋にキスを落とす。
「る、い…っ…ちょっ、くすぐったい…」
クスクスと笑いながら身を捩るが、その腕をすり抜けることはできない。
時折感じるチリッとした痛みに、類の余裕のなさを感じる。
そして、つくし自身にも甘い疼きが生まれていく。
いっそこのまま…と、つくしが目を閉じた瞬間。
「ごめ…っ」
グイっと肩を圧され、類が顔を背けた。
「…類?」
その手から伝わる震えに、類の中に燻る苦痛を感じる。
「ダメ、だ…これ以上は…」
苦痛を吐き出すように触れたら、つくしを傷付けることになる。
本能のままに抱いてしまったら、それこそ…。

「いいよ、それでも。」

つくしの温かな手が類の頬を撫でる。
「あたしたち、婚約したんだよね?
 絶対に、結婚するって…ずっと一緒にいるって約束したよね?
 だったら、あたしはいいよ。」
「つくし…」
「類は優しすぎ。
 あたしのこと、大事にしてくれるのは嬉しいけどさ。
 同じくらい、あたしも類のことが大事だよ?
 類が辛い時は、あたしだって辛い。
 けど、それは倍じゃなくて、半分にできる。
 それが夫婦になる、ってことなんじゃない?」
クスッと笑うつくしに反して、類の表情は晴れない。
つくしの言うことが正しいのは解る。
「でも…」
今日はダメだ、と続く言葉はつくしの唇によって阻まれる。


繰り返されるキスに、呼吸が乱れる。
さっきみたいに、この手に力を込めて圧し返せばいいとわかっているのに。
つくしの必死にも思える拙いキスが、燻っていた劣情を煽ってくる。
柔かい唇、滑らかな舌先、そしてつくしの漏らす甘い吐息。
そのすべてが愛おしく、もっと欲しくなる。
「つくし…もっと…」
零れた呟きに、情欲で揺れる瞳が細められ、僅かに口角が上がる。
気を良くした唇は頬から顎のラインを辿り、首筋へと降りていく。
時折感じるチリッとした痛みは、つくしの甘やかな仕返しか。
燻りを煽られ、生まれた熱に理性の糸が焼き切られる。

「もう…どうなっても、知らないよ?」

堪らず抱き寄せ、その耳元で低く囁くと。

「…望むところよ。」

妖艶に微笑むつくしが、僅かに残っていた理性の糸を断ち切った。


劣情に支配された類に、身体の隅々まで暴かれる。
噛み付くようなキスも、暴力的な愛撫も、身を裂くような荒々しい抽送も。
普段の穏やかな類からは想像できないほど動物的で。
その姿は、美しく愛しい『獣』。
苦痛に一人耐えるのではなく、吐き出し、それを分かち合えた歓びに胸が震える。

―やっと、楽になれる、ね…。

朦朧とする意識の中、思い切り類を抱きしめ、そっと呟く。
その瞬間の、類の笑顔がとても綺麗で。
安堵の笑みを浮かべたのを最後に、その意識を手放した。


眠りに落ちたつくしをそっと抱き寄せ、その髪を梳く。
絡まってしまった髪を丁寧に解きながら、無理をさせてしまったことに心が痛む。
今までと同じく、理性は利かないながらも意識はちゃんと保てていた。
つくしの吐く息の熱さも、あげる嬌声の甘さも、感じていた。
いつも以上に執拗に攻め立てたし、避妊もしなかった。
何度目かの吐精の後、フッと身体が楽になったのを思い出す。
それが何を意味するのか、正気に戻った今ならわかる。

―参った、な…。

嬉しいはずなのに、それを素直に喜べない。
近い将来、新しい家族を迎えるつもりではいた。
が、それはもう少し先でいいと思っていた。
つくしも仕事を続けたいと言っていたし、その時期は二人で決めたかった。
こんな苦痛を吐き出すように抱くのではなく、愛おしむ行為の結果ならば、もっと素直に喜べたはずだ。
だったら…。

眠るつくしにキスを落とし、その身を起こす。
そして、身を屈め、つくしの下腹部へと唇を寄せた。
「ごめんな」
小さく謝罪の言葉を残し、サイドテーブルの引き出しを開け、避妊具の箱の奥に手を伸ばす。
望まない妊娠を回避するための物―使うつもりはなかったが、念のために準備していた『それ』。
寝ているうちに飲ませてしまえば、気付くこともないはず。
そう思って忍ばせていた箱を探す、が。
「…あれ?」
あるべき所にそれがない。
不自然に空いたスペースで、確かにそこにあったとわかるのに。

クスッ。

背後の気配に、それがつくしの仕業だと気付く。
「…何で?」
「ん?だって、必要ないから。」
「でも…」
「類からもらった宝物を、無かったことになんかさせない。」
思いの外、強い口調で返され、類は言葉を失う。
「この子はさ、類とあたしの間に生まれる運命なんだよ。
 だったら、せめてあたし達の子供でよかったって思ってもらえるように、大事に育てよ?」
フワリと抱きしめられ、途端につくしの香りに包まれる。
「…つくしは強いね。」
フッと漏れた息に笑みが混じる。
「そうかな?」
お道化たように笑うその口元に唇を寄せる。
「きっと、いい母親になるね。」
チュウと軽く吸い付き、そのまま額を合わせる。
「類も、素敵なパパになれるよ。」
「そうかな?」
「だって、あたし達、お互いに『運命の人』でしょ?」
弧を描く唇を重ね合わせ、ゆっくりとその身を横たえる。
肌触りのいいシーツに身を沈め、もう一度素肌を重ねる。
「My Destiny、か…」
「ん…な、に…?」
「『運命の人』って意味…俺とつくしのこと、だよ。」
「そっか…って、類?」
類の大きな手が、つくしの身体のラインをなぞる。
「ん?何?」
焦るつくしを余所に、柔らかな肌に唇を這わせた。
「さっきもしたじゃ…んっ…」
「だって、つくしが可愛いんだもん。
 さっきはちょっと乱暴すぎたから、ここからは優しくするから…ね?」
甘い言葉が鼓膜を揺らし、心を蕩けさせる。
「ん、もう…!」
「『姫初め』だからね。
 つくしをう~んと可愛がってあげるよ…。」
慈しむように落とされたキスが、つくしの身も心もトロトロに解かしていった。


窓の外には、正円の月が妖しく輝く。

運命の女神・モイライの描いた運命。
それが幸か不幸かなど、誰も知らない。
けれど。
今、この瞬間の幸せを甘受しよう。

つくしと共に。
類と共に。



~Fin.~


☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆


いやぁ、思いの外、長くなりましたねぇ。
書き始めた時は『サクッと3話で!』と思ってたのに。
終わってみたら、倍の6話になりましたか(笑)
まぁでも、終わってよかった(*^-^*)

これで書きかけの話は全部終わった!
これでいつ辞めてもいいよね?(笑)
来てくれる人がいる限り、閉鎖はしないけど、今後の更新は未定。
気が向いて、何か思いついたら書こうかなぁ。

ここまで来れたのも、皆さんの温かい応援があったからだと思います。
感謝!感謝!!感謝!!!です!
本当にありがとうございました(´▽`*)♪



皆さまからのコメントや拍手、本当にありがとうございます♪
現在、ブログランキングは休止中。
定期的に更新できるようになったら再開する、かも?

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18:00  |  My Destiny  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑

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 | 2018.02.07(水) 23:28 |  | コメント編集

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 | 2018.02.08(木) 00:15 |  | コメント編集

●ま**ん様

こんばんは。
お越しいただき、ありがとうございます(*^-^*)

更新ペースが安定せず本当に申し訳なく思っていましたが、何とか完結することができ、ホッとしています。

類の不運な運命も、つくしに出会ったことで救われました。
きっとこの先、どんなことがあってもこの二人なら乗り越えていけるでしょう。
そして、芽生えたかもしれない、新たな命を大切に守っていくんだと思います。

思うように言葉が浮かばず、少し時間がかかってしまいましたが、ま**ん様に幸せな気持ちをお届けできてよかったです。
これからも類への愛は変わりません。
何か浮かんだら、また書きたいとは思っています。
よかったら、またお立ち寄りくださいね。

ありがとうございました(´▽`*)
聖 | 2018.02.08(木) 00:24 | URL | コメント編集

●ず*様

こんばんは!
お久しぶりです。
お元気でしたか?

Moonlightの続きは書きたいと思っていたので、今回書くことができて私的にも満足です(笑)
ですが、書きたい気持ちはあっても、なかなか言葉が浮かんでこないんですよね💦
そんな自分にイライラしたり無力感に苛まれたりすることに、少し疲れたのかもしれません。
なので、ちょっとお休みしようかと思っています。
類のことは変わらず愛してますし、二次の世界も好きなのでまた書くかもしれませんが、今後の予定は考えていません。

ず*様もお忙しいでしょうが、ご無理なさいませんように(*^-^*)
ここまでお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました!
聖 | 2018.02.08(木) 00:45 | URL | コメント編集

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 | 2018.02.13(火) 00:13 |  | コメント編集

●*子♪様

こんにちは(*^-^*)
来てくれてありがとうございます♪

甘々王子に仕上がったかどうかはわかりませんが、堪能してもらえてよかった♪
唯一無二のベストカップル!確かに!(笑)

これを書き終えた時、もういいかな、って思ってたんだけど。
更新できない心苦しさとか、書けないもどかしさとかで、たぶん疲れてたんだと思う。
ちょっとお休みさせてもらって、気が向いたらまた書こうとは思ってる…今はね。

みんなが泣くかどうかは知らないけど(^▽^;)
*子さんがうちの類くんに惚れててくれてるならがんばろうかな(笑)

*子さんもがんばってくださいね♪
コメントありがとうございました(´▽`*)
聖 | 2018.02.14(水) 10:48 | URL | コメント編集

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