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Lesson - The 5th unit - sec.1

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類とフランス語の個人レッスンを始めて3ヶ月。
簡単な日常会話はできるようになった。
最近はイタリア語もちょこっとずつ教えてもらってる。

夏休みになったら、類と一緒にフランスに行く予定。
花沢のおじ様とおば様にも会いたいし。
本場であたしのフランス語がどこまで通じるのかも知りたいし。
パパは相変わらずの心配性でなかなか許可してくれなかったけど。
ママの『何事も経験よ!行ってきなさい!』って一言で決まった。
パパはちょっと寂しそうだったけど、このまま帰ってこないわけじゃないし、ね。

夏休み。
滋さんは道明寺さんのいるNYに行くって言ってた。
桜子はバカンス、優紀は母方の実家に帰省するみたい。

そういえば、優紀は西門さんとどうなんだろう?
正直、西門さんって優紀には合わないと思う。
超遊び人で、彼女は何人もいるみたいだし。
いくら家元夫人に気に入られたからって、無理に付き合うことないんじゃない?
優紀にはもっと誠実な、優紀だけを大切にしてくれるような人がいい。

そう言ったあたしに、優紀は困った風に笑った。
「んー、確かに若宗匠のそういうところは、理解できないんだけど。
 本当は純粋で誠実な人なんだよ?
 自分の立場もちゃんと弁えてるし。
 『一期一会』の遊びも、彼なりの社会勉強なんだと思う。
 若いうちにいろんな人と会って、話をするのは無駄じゃないんじゃない、かな。」
「けどさ、優紀はいいの?好きなんでしょ?西門さんのこと。」
「…うん。でもね、もし彼が家のために私を選ぶなら、私は断るつもりなんだ。
 西門流を継ぐだけなら、私じゃなくてもいいしね。
 私は、私だけを見ててほしいから。
 若宗匠がそう思ってくれるのが一番だけど、それを強制することはしたくないの。」
「…そんな恋、楽しい?」
「今は家元夫人のお傍でいろいろ学びたいし、この時間は無駄じゃないから。
 それに、恋って楽しいことばっかりじゃないよ?
 辛かったり苦しかったりしても、それでも一緒にいたいって思えなきゃ、本当に好きとはいえないんじゃないかな。」

優紀のその言葉が、あたしの頭の中でグルグル回ってる。
類のことは、本当に好き。
けど、類とのことで辛い思いも苦しい思いも、まだしてない。
ていうか、辛いとか苦しいとかって、どういうこと?
類に限って浮気とか、考えられない。
あたしも、類以外の人と、なんて想像もつかない。
類は優しいから、あたしが嫌がることはしないだろうし。
あたしだって、類が嫌だって思うことはしない。

「あたしにはよくわかんない。」
そう呟くと、優紀はふんわりと笑った。
「いいんじゃない?それで。
 そんな思いもなく、お互いを想い合えるのは幸せなことだよ。
 けど、いつかそういう気持ちになった時、本当に好きならちゃんと信じてあげなよ。
 花沢さんのことも、自分の気持ちも、ね。」
「…うん。わかった。」

優紀が西門さんを想い続けられるのは、自分の『本当の好き』を信じてるから。
伝え聞いた噂に振り回されることなく、自分の見たもの、感じたことだけを記憶に留めて。
彼が築いた、本心を隠すための高い城壁すらも乗り越え、その心にそっと寄り添ってる。

いつか、そんな優紀の深い愛情に、西門さんが気付いてくれたらいいな。
家とか周りとか関係なく、二人が二人の幸せのために手を取り合ってくれたら。
その時、きっとあたしは泣いちゃうんじゃないかな、って思う。



週末、いつものように花沢のお邸で類と過ごした。
シェフに手伝ってもらいながら、ランチの支度をしていると。

『あらあら!お久しぶりでございますね!』

玄関の方から、何か楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
「誰か来たのかな?」
「今日は来客の予定はなかったはずですが。
 こちらは大丈夫ですので、行ってらしてはいかがですか?」
「んー、でも…」
「お客様を出迎えるのも、奥様のお務め、ですよ?」
冗談めかしてウインクをされ、思わず笑ってしまう。
「まだ、奥様じゃないけど?」
「ですが、我々としては、類様の奥様はつくし様しか考えられません。
 こうして一緒にキッチンに立つなど、本来であればあり得ないことなんですよ?」
「そうねぇ…あたしも、牧野の家じゃ、お台所には入れてもらえないわね。」
「そうでしょう?
 つくし様にお怪我でもさせたら、私が旦那様に叱られてしまいます。」
「大袈裟すぎよ。
 でも、そうね…前、お掃除であかぎれ作った時なんて、類、先輩のこと超睨んでたし。」
「類様は本当につくし様が大切でいらっしゃるのですから、それも当然でしょう。
 ささ、こちらは私がやりますので、つくし様は類様のお傍へ行って差し上げてください。」
「…わかった。それじゃ、後はお願いしますね。」
着けていたエプロンを外し、笑い声の響くリビングへと向かった。


そして、あたしはその光景に目を奪われた。
まるでおとぎ話の挿絵みたいに、王子様とお姫様が微笑み合っていたから。

「あ、つくし。静が来てるよ。」
「あら、つくしちゃん。お久しぶりね。」

「あ、うん…お久しぶりです、静さん。」

あたし、ちゃんと上手く笑えてる、よね?


静さんは大手銀行頭取の娘さんで、類とは幼馴染。
あたしもたまには遊んでもらったけど、道明寺さん達と静さんの5人はいつも一緒にいた。

まるでお姫様を守るナイトのように。

美人だし、頭はいいし、それでいてとても気さくな、素敵なお姉さん。
2年前、家の名を捨て、貧しい人を助ける弁護士になると言って、単身フランスへと旅立った。
あの時、類はちょっと寂しそうだった。
類は静さんのことが好きなんだな、って何となく思った。

だから、かな。
こうして微笑み合ってる姿はとても自然に見える。
何年離れてても、やっぱり類にとって、静さんは特別な存在なんだ。
あたしの入る余地なんて、ない。

「つくしもこっちおいで。」
「お土産買ってきたのよ。一緒にいただきましょ?」

嬉しそうに笑う類の顔が見たくなくて。
そっと類に触れる、静さんの傍に寄りたくなくて。

「あ、あたしっ…ランチの支度の途中、だから…っ」
「あら?つくしちゃんはいつから花沢のお邸仕えになったの?」
「違うよ。つくしは俺と…」
「…も、もう少しでできますからっ!
 よ、よかったら、静さんも食べてってくださいっ!」

ペコリと頭を下げ、あたしは逃げた。
キッチン…ではなく、自分の家に。


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2 Comments

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2018/03/01 (Thu) 10:52 | EDIT | REPLY |   
聖

聖  

わ*こ様

こんにちは(*^-^*)

類つく最大のライバルはやっぱり静かな~と思っております。
ブレる必要もないのに、勝手にグルグル考えちゃうのはつくしの悪いクセですね。
けど、そこからが類つくの醍醐味じゃないですか?(笑)

モヤモヤさせてしまってすみません!
続きでスッキリしてもらえたらいいなぁ、と思います。

コメント、ありがとうございました(´▽`*)♪

2018/03/01 (Thu) 15:39 | EDIT | REPLY |   

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