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Lesson - The 6th unit - sec.2

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翌日。
登校するなり遭遇した桜子の視線が痛い。
「ずいぶんと『お楽しみ』だったようで…。」
「なっ…人聞きの悪い…」
「まぁ、虫除けとしては効果絶大でしょうが。
 それにしても、あの花沢さんが、ねぇ…。」


昨夜、類が帰った後、鏡を見て吃驚した。
腕や足なら制服と靴下で隠せるかな…なんて思ってたあたしは甘かった。
首回りに残った、いくつもの痕。

…夕飯の時、ママがニヤニヤしてたのはこのせいだったんだ。

初夏のこの時期にマフラー、ってわけにもいかないし。
クローゼットの中の洋服を引っ掻き回し、首元が隠せそうな物を探して。
ようやく見つけた、フリフリの立て襟のブラウス(長袖)を着てきた、けど。
…あの桜子に隠せるはずなんて、なかった。

「こんな先輩の姿は超レアですし、滋さんにもお見せしないと。」

スマホのカメラを向けられ、あたしは咄嗟に両手で顔を覆った。




そして、昼休み。

「いや~、こんな写真見たら、実物が見たくなるよね!」
永林にいるはずの滋さんを含めた4人で、中庭の木陰でランチタイム。
「本当に…朝、見た時は別人かと思いました。」
「あはは…けど、ほんと、派手に付けられたねぇ…」
優紀ですら、憐みの視線を向けてくるから居た堪れなくなる。
「う~…これ、いつになったら消えるのぉ?
 今日の半日だけで、もう帰りたくなっちゃったよ…」
「花沢さんとは公認の仲ですし、その花沢さんに愛された証であれば、気にする必要はないと思いますけど?」
桜子の言葉に、他の二人もうんうんと頷いている。
「いや、でも、やっぱ恥ずかしいじゃん…」
「ヤってるとこ、見られたわけじゃないんだからいいじゃ~ん!」


「正確には、ヤってないみたいだけどね。」


不意に聞こえた声に、一斉に振り向く、と。

「やぁ。」
「ちっす!」
「…どうも。」

「る、類?それに西門さんと美作さんまで…?」
「桜子から写真送られてきてさ、さっきまで類を問い詰めてた。」
「そそ!ようやく牧野の鉄パン脱がせたか!ってな。」
西門さんと美作さんは嬉しそうに、類の首に腕を絡めてる。
「三条、あきらに変な写真送るの、やめて。」
それをウザそうに振り払いながら、類は大きな溜息を吐いた。

「いいじゃありませんか。先輩のお幸せな姿は皆で共有すべきです。」
「そうだよ!あんまり嬉しくて、滋ちゃんも来ちゃったし♪」
桜子は悪びれる風もなく、滋さんに至ってははしゃぎすぎなくらい。

「皆さん、お揃いとは珍しいですね。
 若宗匠も、よく起きられましたね?」
「優紀ちゃん…学校でその呼び方はやめて。
 いつもみたいに『総』って呼んでよ。」
西門さんのキラースマイルに、優紀の頬が赤く染まる。
ふ~ん…優紀って、普段西門さんのこと、『総』って呼んでるんだ。
何か、可愛いなぁ。

「で?正確にはヤってない、とは?」
再び矛先を向けられて、あたしはどうしていいのかわからず、類に助けを求める、と。
「そんなの、何で教えなきゃいけないわけ?
 まぁでも、今日のつくしの様子見ててわかんない?」
類の意味深な回答に、あたし以外のみんなは何か納得したようで。
「あー…なるほどな。」
「そうだよね…初めてだったわりに、普通、っていうか…」
「けど、このキスマークの数は…」
「付けてる間に、つくしが寝ちゃったんだよ。」


「「「「…はぁ?」」」」


正直、あたしもよく覚えてない。
くすぐったくて、気持ちよくて、けど、時々痛くて…ってのは何となく覚えてるんだけど。
「まぁ、その前にちょっといろいろあったからね。
 疲れてたんでしょ。」
気にしなくていいよ、って類の手があたしの頭を優しく撫でた。
「にしても、牧野、お前…」
「鉄パンはまだ健在だったか…」
「天然って、怖いですね…」
「あははっ!でも、つくしらし~!」
呆れたり笑ったり、それぞれが思い思いの反応を示す。
けど、優紀だけは違ってた。
「つくし…ちゃんと大事にされてるんだね。よかったね。」
「優紀…これ見て、何でそう思えるのか、あたしにはわからないんだけど?」
困惑する気持ちを隠さず、小さく溜息を吐く、と。
「大丈夫。これ以上ないくらい、大事にしてるよ。」
類はクスッと笑って、あたしの左手を取る。

チュッ。

昨日と同じ、薬指にキスを落とした。

「ほぉ~?それでそこにも、ってわけか?」
「ん。近いうちにちゃんと指輪買うけど、それまでの代わり。」
左薬指のキスマークはうっすらと赤く、まだ消えてない。
「そっかぁ~!ま、いんじゃね?二人がラッブラブなのはよぉ~くわかったし?」
「次はぜひ、いい報告をお待ちしてます。」
「っ!桜子!」
「牧野が鉄パン脱いだら、お祝いしよ~ぜ!」
「いいねっ!その時は司も呼ぼ~っと!」
「あ、あんたたち!好き勝手なことばっか…」

みんな、絶対面白がってるし!
そもそも鉄パンって何よ!
そんなの、重くて履けるわけないじゃない!

そんなあたしの頭を、大きな手が優しく撫でる。

「つくしはみんなに愛されてんね。
 俺、つくし泣かせたら殺されるかも…」
「そうですよ?つくしは花沢さんだけじゃなくて、私たちみんなの宝物なんですから。」
「そうだぞ!牧野は俺んちの妹たちも気に入ってるからな。
 類とダメになったら、いつでも引き受けるぜ?」
「はぁ?何それ。類とダメになったって、美作さんのとこなんか…」

行くわけない、と続くはずの言葉を発する直前。
類の纏う空気がガラリと変わり、見えないブリザードが吹き荒れた。

「ダメになんて、絶対ならないから。
 …行こ、つくし。」

急に不機嫌になった類に、美作さんと西門さんは呆れたように笑う。
桜子は溜息を吐き、滋さんはキョドってて、優紀は心配そうにあたしを見てた。

…まぁ、よくあること、なんだけどさ。

鞄、教室に置きっぱなしなんだけど…しょうがない、か。
今は類のご機嫌を直す方が先だよね。
みんなには申し訳ないけど。

「ま、またねっ!」

チラッと振り返って、小さく手を振って。
類の力強い手に攫われるように、あたしは類の背中を追いかけた。


繋いだ手を恋人繋ぎに変え、寄り添うように類の隣を歩く。
「類?どうしたの?」
「…どんなことがあったって、俺はつくしを離さないから。」
見るからに不機嫌なオーラを纏って、前を睨んだまま呟く。
そんな顔もかっこいいと思ってしまうのは、惚れた欲目なのかな。
けど、わかってないね、類は。
「あたしだって、類のこと、離してあげないよ?」
あたしだって、類がいなかったら生きていけないんだからね。
「わかってる…でも、さっきのは…」
「ごめんね…あたし、類とダメになるなんて、1ミリも思ってないから。」
その言葉で、ちょっとだけ類の表情が和らぐ。
「うち、来る?」
「うん。行く…あ、でもお稽古の時間までだよ?」
「ん。ねぇ…キス、したい。」
「…車まで、待ってね?」
「キスマーク、も…」
「いいけど…見えないとこにしてね?」

類がポツリポツリと零す我儘に、あたしは『いいよ』って返す。
そのどれもが、あたしにしか聞いてあげられない我儘だから。

ちょっと機嫌が直った王子様の我儘は続く…。

「つくしの作ったご飯、食べたい。」
「いいよ。何が食べたい?」
「つくしが作った物なら何でもいい。」
「そっか…じゃあ、何にしよっかな~?」

ごくごく普通の恋人同士みたいに、手を繋いで、笑い合って。
何とか、類の機嫌も直って、ちょっとホッとした。

なのに…。

「ねぇ、一緒にお風呂入りたい。」
「…へ?」
「つくしの体、俺が洗いたい。」
「は?」
「つくしに、いっぱい触りたい。」
「ちょっ…類!?」

我儘の内容が別の色を持ち始めて、ギョッとして類を見る、と。

プッ…クックックッ…

突然笑い出した類に、完全に遊ばれていたのだと気付く。
「もうっ!類っ!」
ムゥ~っと頬を膨らませて睨んだ、んだけど。
「そんな可愛い顔で睨んでも怖くないよ。」
「揶揄うのもいい加減に…!」
「揶揄ってなんかないけどね。
 確かに冗談だったけど、ちょっと本気。」
「もう…っ!」

本気、って言われて、ちょっと焦っちゃったけど。
いつか、そういう日が来るんだろうな。
…まだ、ちょっと怖いけど。

「夏休み、楽しみだね?」
「…それはどういう意味で?」
「いろんな意味で。
 とりあえず、恋人のつくしと過ごす初めての夏だしね。
 いろいろ思い出作りたいじゃん?」
「そ、だねぇ…」

今までも一緒に過ごしてきたけど。
去年までとは違う、類との夏が来る。

「忘れられない夏にしよ?」

ゴキゲンな類の笑顔に逆らうことなんてできなくて。

「…うんっ!」

どんな夏になるのかな?
でも、類と一緒なら、絶対楽しいはず!

「それまでにフランス語の復習しないとだね。」
「ん…でも、」

類に手を引かれ、そのまま花沢の車に乗り込む。

「まずは、こっちの復習から、ね…」

ドアが閉まるのと同時に、類の唇が重なって。
その感触にフワフワと酔わされた。


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2 Comments

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2018/03/04 (Sun) 22:54 | EDIT | REPLY |   
聖

聖  

ず*様

おはようございます(*^-^*)

えっ?私、ドS?💦
まぁ、焦らすのは好き♡だけど(笑)
キスマーク付けられながら寝ちゃうってのはちょっと強引だったかしら?(笑)
けど、そのまま…ってのはまだ早いでしょ?( *´艸`)

あんなところやこんなところ…そんなところにも類の唇が触れちゃうのね…(*ノωノ)
想像するだけでドッキドキだわ♡

さて、夏休みはどうなりますかね?
お楽しみに~♪

ありがとうございました(´▽`*)♪

2018/03/05 (Mon) 07:57 | EDIT | REPLY |   

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